100話 ページ1
佐藤side
マリ「君たち！！！何してるの！！静かになさい！！
折角気を使って出ててあげたのに、騒いで！！ちょっと二人ともそこに座りなさい！！！」
勢い良くドアが開かれたと思うと、先生の俺たちにも負けないぐらいの大きな怒鳴り声が響いた。
菊池、佐藤『あ、やべ』
そう二人同時に呟いて素直に従った。
…それから昼休みが半分終わる頃まで説教は続いた。
菊池「…なぁ勝利」
佐藤「何？」
菊池「俺、腹減ったんだけど」
…そういえば。
戻してしまって今俺の胃の中にはほとんど何も無く、空っぽの状態だった。
それを認識した瞬間一気に空腹感が押し寄せる。
佐藤「…俺も…腹減った」
じっ…とお互いの顔を見合わせ、ほぼ二人同時に笑い出した。
菊池「あ、そういえば勝利、もう調子は大丈夫なのか？」
佐藤「あぁ。大丈夫。元気になった！
それより！！何か食べたい」
一旦自覚してしまえば空腹感は否めない。
今にもお腹と背中がくっつきそうだ。
菊池「じゃあ購買で何か買おうか」
佐藤「おう！」
…そしてパンを三つも四つも購入し、屋上でそれをもごもごと二人で頬張る。
佐藤「…うーん、どうすればいいんだろうな」
落ち着いた頭を回転させて思考を巡らす。
Aという子を思い出す方法。
菊池「…Aの事？」
佐藤「そうそう。どうすれば思い出せるかと思って」
食べ終わったパンの袋を折り畳みながら空を仰ぐ。
相手の方も同じように空を見上げてポツリと零す。
菊池「写真は？写真で顔を見たら思い出せるんじゃねーの？」
バッ！とそう言った男子の顔を見る。
それだ…！
佐藤「それだ！もしかしたら思い出せるかも知れない！」
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作者名：ユリ | 作成日時：2021年6月5日 18時
