7話 ページ9
白無常side
私がAさんの悩みの原因。と聞いた瞬間、私は何の事を言っているのか理解した。
…やってしまった…
まさかあの行動だけで色々な方に誤解されてしまうとは…
「へぇ〜…その反応だと覚えはあるんだ。」
ジョゼフさんのその言葉に身体がドクンと脈打つ感覚がした。
「…まあ。」
私はそう曖昧な返事を返して、Aさんに向き合い昨日のことを話す。
探鉱者さんにくっついている彼女に少しもやもやとした感情を抱きながらハンターやサバイバーの皆さんと呑んでいると、あっという間に交流会は終わりに近づき、サバイバー達は部屋へと戻る様に言われた。
私は美智子さんやマリーさんの手伝いとして広間の片付けをしていると此方へ探鉱者さんがやってきて、
『白無常さん。Aさん酔っちゃって自力で部屋に戻れなさそうなので送ってあげてください。僕もう帰るんで。』
黒く澄んだその瞳で私を見てくる彼。
Aさんは頬を真っ赤に染め、微かに涙の跡が見える。お酒は弱いと言っていたのに何故飲んでしまったんだろうか…
私は彼女の体調が悪くならないよう横抱きにして運ぼうとすると、
信用した訳じゃありませんから。か。
最後に彼は睨みながらそう言ってきた。ついそれに対して言い返してしまったが…まあいいだろう。
そして私はハンター達の視線など気にせずAさんを横抱きにして自室まで運んでしまったのだ…
酔った女性を一人の男が部屋に送るとなると…それは誤解されるに決まっている。
…本当に申し訳ない事をしてしまった。
こうして私は一通り昨日の事、誤解されるまでの経緯を話すと彼女はぽかんと口を開けて混乱しているようだった。
かと思えば瞬く間に赤くなるAさん。
視線を泳がせ、顔に集まっている熱を冷ますように手でパタパタと仰いでいる。
「どうしました？」
『…いや、まさか…横抱き…されてたなんて…』
私が聞くと、俯いて横髪で顔を隠す彼女。耳まで赤くなっていることは言わないでおこう。
「…とても愛らしいですね。」
必死になっている彼女を見つめていると、思わず心の声が漏れてしまう。
『…っ！揶揄わないで！』
「ふふ…」
『…私もう少しでゲームだからっ！もう行くね！』
慌てて席を立ち、広間を出ようとするAさん。
「朝食はいいんですか？」
『遠慮しとく！行ってきます！！』
行ってらっしゃい。とだけを返し彼女を見送った。
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夜桜夜光(プロフ) - 神作品をありがとうございます!神作者様!!!!!!!! (2022年3月21日 18時) (
レス) @page8 id: 2f3c4feebc (このIDを非表示/違反報告)
翡翠いろ(プロフ) - あかり510さん» ありがとうございますっっ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！（便乗） (2021年1月18日 19時) (レス) id: c3dcbab85a (このIDを非表示/違反報告)
あかり510 - すき！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ (2021年1月12日 11時) (レス) id: 3f067938ed (このIDを非表示/違反報告)
翡翠いろ(プロフ) - ことさん» わわ！凄く嬉しいです！ありがとうございます！(*´ｰ`*)更新頑張りますね！！ (2020年5月4日 22時) (レス) id: c3dcbab85a (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - あぁあぁこの小説大好きです、更新頑張って下さい！ (2020年5月4日 16時) (レス) id: eda5c7b40f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠いろ | 作成日時：2020年4月26日 2時
