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5話 ページ7

ノートンside


…これは、多分デミさんが作ったワインを飲んじゃったのか。

でもほんの一杯分、そんなに酔うことはないだろうと僕は油断していた。


『…む、り…吐く…てか眠い…』

「…は?」

Aさんはそのほんの一杯分だけで吐きそうになるほど酔ってしまった。


吐くと言いながらも眠そうに俯く彼女は今にも寝てしまいそうで、眠気が限界を迎えたのか、僕の肩に顔を沈めて寝ようとしてくる。

いや、嬉しいんだけどこれナワーブとかに見られたら面倒だな…あと白黒無常さん。あの人Aさんの保護者的存在だから。


「Aさん…ここで寝ないでよ。」

『ごめん…』


ごめんって何さ…まあどうせ皆もう酔っ払ってるし、こんな機会滅多にないだろうからいいか…


僕は広間の雰囲気にのまれて彼女の飲みかけのレモンティーに口を付けた。





「ねえやめてって…ちょっと!」

『あはは…のーとん顔冷たいねぇ…』



…何でこんなことに…



…時を遡って数分前、Aさんがいきなり起きて悪酔いしたのかずっと僕の頬をつねったり頭を撫でたりしてくる。


子供扱いされるの嫌なんだけどなぁ…歳も然程変わらないと思うし。



でもまあ甘えてくれるのは…嬉しい。





『…私、を置いていかないで…』



「うん、僕は此処にいるよ。」


『…のーとん…ありがとう…』


Aさんは僕の肩に顔を埋めて震える声でそう呟く。僕はその言葉を酒に塗れた人達の声のせいで聞き逃すということはなかった。


その言葉の意味は僕には分からなかったが、生憎過去に何かあったのだろう。


僕はポロポロと涙を流すAさんにかける言葉が見つけられず、彼女の後頭部に手を回し、僕の胸板に引き寄せる。



…なんとなく…彼女のこの顔は僕以外の誰にも見せたくなかった。




暫くの間そうしていると、Aさんはまたその眠ってしまった。

そしてサバイバー達はもう自室に帰ることになったのでAさんを白黒無常さんに頼んで僕はハンター錬を出ようとする。


帰り際にチラリと見てみたが、驚いたことに無常さんはAさんのことを横抱きにして運んでいたので一言こう言ってやった。


「一応言っときますけど、僕はまだ貴方のこと、信用した訳じゃありませんから。」

そしたら彼は怪しげな笑顔を浮かべて、


「そんなに警戒しなくとも彼女のことを襲ったりなどしませんから安心して下さい。」


全く持って信憑性の無いその言葉。




「…油断できないな…」

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夜桜夜光(プロフ) - 神作品をありがとうございます!神作者様!!!!!!!! (2022年3月21日 18時) (レス) @page8 id: 2f3c4feebc (このIDを非表示/違反報告)
翡翠いろ(プロフ) - あかり510さん» ありがとうございますっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(便乗) (2021年1月18日 19時) (レス) id: c3dcbab85a (このIDを非表示/違反報告)
あかり510 - すき!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2021年1月12日 11時) (レス) id: 3f067938ed (このIDを非表示/違反報告)
翡翠いろ(プロフ) - ことさん» わわ!凄く嬉しいです!ありがとうございます!(*´ー`*)更新頑張りますね!! (2020年5月4日 22時) (レス) id: c3dcbab85a (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - あぁあぁこの小説大好きです、更新頑張って下さい! (2020年5月4日 16時) (レス) id: eda5c7b40f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠いろ | 作成日時:2020年4月26日 2時

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