9話 ページ11
「考え事ですか?僕を前にして?」
『少し黙って…血の流れが早くなるよ。』
「心配してくれているんですか?嬉しいですね。」
未だ失血を続けているイソップに静止をかけ、こんな状況になる前のことを考える。何処で間違ったのか…
暗号機を4台残した状態でオフェンスを吊り、その後来たカウボーイの縄救助を阻止。そして恐怖の一撃。耳鳴りはしていなかったので余裕を持ってカウボーイを近くの暗号機に吊るした。
全てが順調に進んでいった、そこからだった。
技師本体とロボの暗号機が終わり、納棺師の暗号機も暫くして終了。そして技師は救助へ、残っていたロボを駆使しガードをされてオフェンスを救助されると、危機一髪状態のオフェンスが近くの椅子に括り付けられたカウボーイを続いて救助。
この状況に至る時にはもう暗号機は残り1台。まさにハンターにとって絶望的状況だった。
そして私は何とかしてオフェンスをダウンさせる。が、解読加速がかかっていた為かもう既に残り1台は寸止め…
案の定このゲームは負けが決定付けられていて、三人はゲート前。納棺師はギリギリで捕まえることが出来たが、納棺をされていて、棺桶はゲートの付近に。
…どうしたものか…そう頭を抱えて考える。
ハンター故に、やはり全逃げは嬉しいものでは無い。
だが、このまま目前で失血死。となるよりはまだ良いだろう。
仕方ない…
私は大きな溜息をついて壁にもたれかかる納棺師の体に手をかけ、風船に吊り上げて持ち上げる。
『私的にも目の前で失血死されるっていうのは夢見が悪いんだよね。だから吊るからさ、納棺されてるでしょ?そこからさっさと逃げて。』
そう視線を上げて言うと、心底驚いたような、そして不満そうな顔をされる。
「僕と二人きりが嫌なんですか?」
…何言ってんだこいつ。
『はぁ…何でそうなるの…そういう訳じゃなくて、私は人が無駄に血を流すところを見たくないの。』
『僕は別に貴方と居られるなら失血死したって構いません。それに、今回のゲームは如何足掻いても僕らの勝ちでしょう?』
『言い方悪いなぁ…でも、この状況に置いて圧倒的に有利なのは私だからね。拒否権なんて無いも同然。』
私は有無も言わさず彼をロケットチェアに座らせる。
『ほら納棺して逃げて。ゲーム展開が早すぎて私まだ投降出来ないんだから。』
そう言ったは良いものの、何故か彼が納棺される気配は無く。当の本人は俯いたまま。
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夜桜夜光(プロフ) - 神作品をありがとうございます!神作者様!!!!!!!! (2022年3月21日 18時) (レス) @page8 id: 2f3c4feebc (このIDを非表示/違反報告)
翡翠いろ(プロフ) - あかり510さん» ありがとうございますっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(便乗) (2021年1月18日 19時) (レス) id: c3dcbab85a (このIDを非表示/違反報告)
あかり510 - すき!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2021年1月12日 11時) (レス) id: 3f067938ed (このIDを非表示/違反報告)
翡翠いろ(プロフ) - ことさん» わわ!凄く嬉しいです!ありがとうございます!(*´ー`*)更新頑張りますね!! (2020年5月4日 22時) (レス) id: c3dcbab85a (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - あぁあぁこの小説大好きです、更新頑張って下さい! (2020年5月4日 16時) (レス) id: eda5c7b40f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠いろ | 作成日時:2020年4月26日 2時