30話 ページ41
…
何このスポーン…
ハッキリ言って最悪だ。スポーン位置には恵まれず、頭痛と怠さは寒さのせいで増す一方。そして、暗号機を触れる間も無く私はハンターに見つかってしまい、絶賛チェイス中。
しかもそのハンターはリッパー。私は彼が少し、いや結構苦手だ。理由は簡単。性格が歪んでいるからだ。
サバイバーの痛みに耐える顔を好むところや、嬉々に溢れる表情を一気に絶望へと落とす事を快感に感じるところなどが、本当に苦手。というか恐ろしい。
「最初に見つけたのが貴方というのはちょっとハズレだと思ったんですけど、Aさん、今日は何だか動きが鈍いですねぇ。どうしたんです？」
『…うるさ、っい！』
割れ窓理論で距離を稼ごうと、窓枠に手をかけ、足に力を入れて乗り越えようとする。
だが、透明になったリッパーをよく見ていなかった。ステインは見えていたのに、距離感を把握できていなかった。
私は、恐怖の一撃を食らってしまった。
不快感しか覚えない鐘の音が私の耳を劈く。
「へあぁ…珍しいですね。貴方がこんなミスを犯すだなんて…しかも初手10秒ほどで。」
…やってしまった…チェイスが伸びないどころではない。【指令】も一度だって使っていない。
私は窓枠を乗り越えた先に倒れ込み、這いずってでも距離を稼ごうとする。
こんな事だったら、無理せず断っておけば良かった。
体調不良なのに出しゃばるからだ。
私のせいで、負けてしまう。傷付いてしまう。
皆が、仲間が、血を、流してしまう。
皆に、役立たずだ。って…
…失望…されてしまう…
リッパーは私のすぐ後ろの窓枠を乗り越え、鼻歌をご機嫌に奏でながら私を吊ろうと手をかける。
だがしかし、その手は私の身体寸前で止まる。
何故だ、早く吊ってしまえばいいのに…
でも、これだけでも十分時間稼ぎになる。
ざまあみろ。と心の中でリッパーを蔑みながら、彼の顔を見る。
すると、その表情はとても嬉々に満ち溢れていて、私を愛おしそうな目で見ていた。
『な、に…その顔…？』
「…その表情！嗚呼！私が見たかったのは貴方のその絶望に満ちた表情です！いやぁ…貴方は絶望などしないと思っていたので凄く残念だったんですが…！なんて幸運な日なのでしょう！！」
『…は？』
本当に、イカれている。
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カシューナッツ炒め(プロフ) - うぉううぉう…めっちゃ面白いですね！！続き楽しみにしてます！！ですが嫌われてる要素が少ないと思います！嫌われストーリーという設定や夢主設定等はめちゃめちゃいいのにそれがもったいないと思います！！応援してます！ (2021年8月24日 0時) (
レス) id: ea7d5bd598 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - 小説自体はとても面白いです。だけどイラストが足枷となってしまってかこれ以上読むことが出来ません。ごめんなさい (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - イラストを載せるのはいいと思うんですが、私はイラスト載せられるとイメージがイラストに定着してしまうので見たい人だけ見れるようにして欲しいです。 (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - ウィリアムくんまさかの左右w (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠いろ(プロフ) - かりんさん» 関係設定を評価してくださるのは本当に嬉しいです！！Twitterフォロー？！もうめちゃくちゃ嬉しいですぅぅ…！！ありがとうございますっ！！ (2020年4月17日 20時) (レス) id: c3dcbab85a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠いろ | 作成日時：2020年3月31日 18時
