27話 ページ38
『ぅぐっ…！』
全く予想していなかった質問に、先程まで呑んでいた珈琲がこみ上げて来る。
「…その反応だと、まだ好きなのか？」
『げほっ…ち、違いますよ！思っても見なかった質問に驚いただけです…！』
怪しげにこちらを見てくるナワーブさんの誤解を解くべく慌てて弁解する。
彼は「そーかよ…」と何処か不満そうな返事をし、机の上で腕を組み、その中に顔を埋める。
私はその姿を見て一安心し、せめてその人の所属していた兵の名前を思い出そうとまた思考を巡らせる。
すると、
カチャン
寂しく広間に響く金属音。
音がした足元を見てみるとそこには、
『ネックレス…？』
長方形で平板の様な形状をした銀のネックレスが落ちていた。
手に取り見てみるとナワーブさんの名前が彫られているのが分かった。
「あぁ、落としたのか…それは俺のだ。気になるのか？」
ナワーブさんが現役で傭兵をしていたころの私物だろうか。名前まで彫られているだなんて手が凝っているなぁと思い、私はネックレスに付いていた埃を払って、彼に手渡す。
『兵隊に属していた頃に配られた物ですか？名前が彫られていたので気になりまして…』
そう言うと、ナワーブさんは以外そうな顔をする。
「お前のところでは配られなかったのか？」
驚いたようにそう言う彼だが、逆に私的には名前入りのネックレス配られる軍があるだなんてびっくりだ。
『私のところでは特に…名前入りということは亡くなったときに誰か分かるようにする為ですよね？私の属する軍では身内の人間が居ない方が殆どでしたので。必要なかったんだと思います…それか、私達は只の駒としてでしか扱われてなかった。って事ですね…』
私が呆れたようにそう言うと、ナワーブさんは悲しそうな、そして何処か優しそうに感じるその瞳でこちらを見つめる。
すると、
「目、瞑れ…」
片手にネックレスを握りながらそう言われ、私は何が何だかわからないまま慌てて目を瞑る。
カチャリ
金属同士が静かにぶつかる音。
暫くして首筋に感じるひんやりとした感覚。
すぐ近くにはナワーブさんの匂い。
時々首や肩に当たる細くてゴツゴツとした手。
「よし、いいぞ。」
不思議に感じながらも目を開く。
首から今まではなかった違和感を感じ下に目線をやると、そこには、
『あ、え…な、何で？』
ナワーブさんの名前が彫られた銀のネックレス。
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カシューナッツ炒め(プロフ) - うぉううぉう…めっちゃ面白いですね！！続き楽しみにしてます！！ですが嫌われてる要素が少ないと思います！嫌われストーリーという設定や夢主設定等はめちゃめちゃいいのにそれがもったいないと思います！！応援してます！ (2021年8月24日 0時) (
レス) id: ea7d5bd598 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - 小説自体はとても面白いです。だけどイラストが足枷となってしまってかこれ以上読むことが出来ません。ごめんなさい (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - イラストを載せるのはいいと思うんですが、私はイラスト載せられるとイメージがイラストに定着してしまうので見たい人だけ見れるようにして欲しいです。 (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - ウィリアムくんまさかの左右w (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠いろ(プロフ) - かりんさん» 関係設定を評価してくださるのは本当に嬉しいです！！Twitterフォロー？！もうめちゃくちゃ嬉しいですぅぅ…！！ありがとうございますっ！！ (2020年4月17日 20時) (レス) id: c3dcbab85a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠いろ | 作成日時：2020年3月31日 18時
