11話 ページ12
ナワーブside
俺はAが嫌いだ。
自分が犠牲になることに、傷付くことに対してなんの戸惑いもない。
それが当たり前だと思っている。
嫌気が差していた。
あいつの能力は仲間を逃がすことに特化していて、その分、自分が逃げれる可能性が極めて低くなりやすい。
偵察兵で一応軍にもいたから、とか、勝つ為には必要なのだから、だとか…
正気を疑う。
でも、その行動はあいつにとっては大事なことなんだろう。
『…見捨ててよ…』
そう言い、Aが最後の林檎を口に放り込み、スプーンを皿において席を立とうとする。
「んなこと…言うなよ…」
咄嗟に口からそんな言葉が出てしまった。
だけど、ボソッと呟くようにして出た俺の願いは、Aの耳には届かず、空気に溶けていく。
俺は食器を洗うAの背中をずっと眺めていた。
『じゃあ私、もう部屋に戻りますね。もう遅いのに晩食作ってくれて助かりました、ありがとうございます。』
暫くするとAが振り向き、俺の方を見ながらそんなことを言う。
「っ…！お、おい！」
咄嗟にAの腕を掴んでしまう。
警戒したような表情で頭にはてなを浮かべ俺を見る。
「お前、なんで敬語なんだよ…同じ時期に荘園に来たっていうのに。」
何を言おうか悩んでいる矢先、ふと思いついたことを話す。そう、こいつは女子以外はほぼ敬語で話すのだ。
『え、あ、あの…いきなり言われても、その…ナワーブさんは、私より歳上…ですし…』
「俺より2つ歳下なだけだろ」
『うっ…』
俺が問いただすとこいつは目には涙を浮かべ、冷や汗が頬を伝っている。
地味に傷つく。
心臓が少しだけ、締め付けられるように痛い。
ん？地味に傷つく？
『痛っ…！あ、あの、腕…怪我しているので離してほしいんですけど…』
「あ、ご、ごめんな…」
そうだった、こいつは怪我をしているんだった。
ほんとに俺は何をしているんだ…クソッ…
では失礼しますね、と言いAは広間を出る。
「はぁぁぁ…」
俺は長いため息をつく。
すると、
「何話してたの。」
Aと入れ違いで広間へ来たのは、黒曜石のような瞳で俺を睨む、大きいケロイドが印象的なあいつだ。
「ノートンか…俺とAが何話してたかなんて、お前には関係ないだろ。」
そう言うと更に鋭い目つきで睨んでくる。
「意外と油断できないね、あんた。」
「お互い様だろ。」
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カシューナッツ炒め(プロフ) - うぉううぉう…めっちゃ面白いですね！！続き楽しみにしてます！！ですが嫌われてる要素が少ないと思います！嫌われストーリーという設定や夢主設定等はめちゃめちゃいいのにそれがもったいないと思います！！応援してます！ (2021年8月24日 0時) (
レス) id: ea7d5bd598 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - 小説自体はとても面白いです。だけどイラストが足枷となってしまってかこれ以上読むことが出来ません。ごめんなさい (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - イラストを載せるのはいいと思うんですが、私はイラスト載せられるとイメージがイラストに定着してしまうので見たい人だけ見れるようにして欲しいです。 (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
柏木美琴(プロフ) - ウィリアムくんまさかの左右w (2021年1月11日 9時) (レス) id: 12d89760b5 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠いろ(プロフ) - かりんさん» 関係設定を評価してくださるのは本当に嬉しいです！！Twitterフォロー？！もうめちゃくちゃ嬉しいですぅぅ…！！ありがとうございますっ！！ (2020年4月17日 20時) (レス) id: c3dcbab85a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠いろ | 作成日時：2020年3月31日 18時
