2 ページ11
「……A？」
何分経ったかは分からない。
やっと編集が終わったのか明かりは消えて、ベッドの側から彼が声をかけてきた。
「A……ごめんて」
ちょっとだけ寂しそうな彼の声。
でも私のほうが何倍も寂しかったんだから。
こんなことで怒りたくないけど、何度も繰り返されたら流石に我慢の限界だ。
少しだけ布団から顔を覗かせて彼の顔を見る。
「なに、ショッピくん」
「……ホンマにすまん」
普段呼ぶことのない彼の実況での名前を低い声で言うと、彼は私の怒り具合に気づいたのか眉を顰めてシュンと体を縮こませていた。
「実況、大事なんでしょ。たった一人の私よりも大勢の視聴者さんを取ったほうが幸福の最大化にもなるんじゃない？私もそう思うし」
「コネシマさんの話はしんといてください……」
「別に実況活動を止めろなんて言わないよ？楽しそうな姿見るの私も好きだから。けど、ちょっと彼女をほったらかし過ぎじゃないのかな」
「これから気をつけます……」
正座を自主的にしながら謝る彼。
……どうしよう、落ち込んでいる彼がなんだか可愛く思えてきてきちゃった。
いつもはこういうことないから。
けど、また怒って！……うーん…………
「明日……寝坊したりなんかしたら、次は本当に怒るからね」
「絶対寝過ごさん！……から、一緒に寝てええ？」
恐る恐るといった様子でこちらを上目遣いする彼に、胸をキュンとさせながらも顔に出さないよう気をつけて布団をめくる。
「いいよ」
「ありがと、A」
そしてその後は二人で一緒にぐっすりと寝た。
朝起きたらもう彼は起きてて、ご飯まで作ってくれていた。
なんだかんだ、私が彼を許してしまうのはこういうところなんだろうな。
……けど、ほったらかすのは極力やめてよね？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
百瀬のえる(プロフ) - 25歳shpおじさんとjkちゃん狂おしいほど好きです先生生徒好きは実はここ発祥ですjkとshpの組合せﾝｧ゛゛゛゛ (2020年10月8日 1時) (
レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - えなさん» ありがとうございます！そう褒めてくださるととても嬉しいです…！まだ続編は決めてませんが、そのときはまた見ていってくれると嬉しいです(*´ω`*) (2019年3月8日 10時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。貴方様の綴る物語が大好きで、短編の中にも夢主ちゃんの想いや情景が繊細に書かれていて読みながらとても心を動かされています。別作品もあってお忙しいとは思いますが、次回作があるのであれば心からお待ちしております…！ (2019年3月8日 3時) (レス) id: 4d21cb4889 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます！カクテルは自分の中でも一番良作だと思っているのでとても嬉しいです。期待に添えるよう、頑張っていきますね！ (2019年3月3日 2時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 素敵です…特にカクテルの話が好きで何回も読み返してしまいます。これからも頑張ってください！！ (2019年3月3日 0時) (レス) id: db3c90213f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜有 | 作成日時：2019年2月19日 14時
