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今度は私がギロリとショッピを睨めば、それが面白かったのか赤い目でくすりと笑った。
その顔は、好き。
「へぇ、諦めるん？」
「元々あの人に恋人ができたときから諦め掛けてたのはAが一番知っとるやろ」
「ウザいぐらい相談されたし愚痴聞いたもんね」
吸っていた煙草を携帯灰皿に入れ、立ち上がるショッピ。
私よりも身長が高くてガタイのいい体。
「今まで迷惑かけてすまんな。臆病者とか言われんかったのは驚きやけど」
「なんだと」
まったく、ショッピは私のことをなんだと思っているのか。
私は君ほど煽ったりしないというのに！
「これからは先輩のことは忘れて生きてくわ」
「できんの？」
「微妙」
そうヘラって笑うショッピ。
その顔は、嫌い。
私じゃなくて、先輩に心動かされる君なんて嫌い。
「微妙って……それじゃあ駄目じゃん」
「しゃあないやろ、片思い期間長かったねん」
「へ〜」
確かに。
彼の片思い期間は二桁を迎えかけるほどには長かった。
けどそれなら私のほうが長い。
「馬鹿ショッピ」
「え、なんで俺突然罵られたん」
「馬鹿だから。私も、君も」
頭にはてなを浮かべるショッピ。
そう、どうせ考えるなら私のことを考えていてほしい。
「そんなに先輩のこと忘れるのが難しいって言うならさ」
呆けている彼のネクタイを掴み、そのままこちら側へと引っ張る。
このネクタイは私が昔プレゼントしたやつだな、なんてこんな時にふと思い出した。
「私に惑わされて」
少しカサついた柔らかい唇と重なる感覚。
勢いはあったけど、歯と歯がぶつかるようなことは起きなくて少し安心する。
お互いに交差する目線、困惑の色を持つ瞳と赤い頬。
「は、ちょっ、A」
「じゃあ私あっち行くから」
呼び止めようとする彼の静止を無視して、賑やかな結婚式へとまた向かう。
自分の頬も体も暑いけど、きっと彼ほどではないはず。
と、その前に彼に忠告しておかなければ。
一旦振り返って自分の口元に人差し指を当てながら、林檎のように真っ赤な頬と赤みが薄くなってきた目元、綺麗で惹かれる紫の瞳を覗き込みながらこう呟いた。
「口紅、ちゃんと拭き取らないと」
赤いままだよ？ なんて
いたずらに笑えば、次は耳まで赤くした彼。
そう、そうやってずっと私のことだけ考えて困惑して惑わされて？
＿＿今までずっと我慢して押し殺したんだから、次は私の番。
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夜有(プロフ) - 百瀬のえるさん» ありがとう御座います！いつかまた会えるときが来ましたら、そのときはよろしくお願いします。 (2021年1月1日 23時) (
レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬のえる(プロフ) - 更新ありがとうございました！大好きです！！お疲れ様でした！ (2021年1月1日 23時) (レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - はい！それではお願いします！ (2019年10月15日 16時) (携帯から) (レス) id: 11da0246b8 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 黒音さん» あ、いえ！その可能性も考えてたのにそこも確認してなかった私もすみませんでした。リクエスト承りました！ (2019年10月15日 16時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - 返信ありがとうございます!個人的にはハッピーエンドがいいですが作者さんの書きやすい方で良いですよ(それと夢主が死んだ後の事なのですが前世の時の事です。分かりづらくてすみませんでした) (2019年10月15日 16時) (携帯から) (レス) id: 11da0246b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜有 | 作成日時：2019年4月7日 22時
