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とにかくこの男の子を逃がさなきゃ。
逃げて、と呼びかけるも彼は一向に動く様子を見せない。
どうしたものかと考えている間にも3振りは次々と遡行軍を倒していく。
がきん、と鈍い音が路地裏に響く。
どうやら全振を殲滅したようだ。
＊＊＊＊＊
今日はたまたま1人だった。
いつもは一緒に下校する飯田君も麗日さんも用事があって、一人で帰っていた。
いつもは3人で喋りながら帰るから、久しぶりの1人の時間に少し寂しさを覚えていた。
今日の授業のことを頭の中で復習しながら歩いていると、近くから女の子がすすり泣くような声が聞こえた。
本当に小さな声だったけど、声のする方に走って行ってみるとそこには薄暗い路地裏があった。
5歳くらいだろうか、小さな女の子が座り込んで泣いていた。
「どうしたの？」
放っておくことができるはずもなく、近づいて目線を合わせる。
大きな目が見開かれて目一杯に溜めた涙が溢れ出した。
今までの比にならないくらい声を上げて泣き出してしまった。
小さい子の宥め方なんて分からなくてオロオロしていると、「助けて…！」と絞り出すような声でその子が叫んだ。
女の子が指差す先を見ると、ぞわりと背中が栗立った。
人ではない形をしている何か。異形の敵か…！？
慌てて女の子を抱えて走り出す。
せめてこの子だけでも逃がさなきゃ…！
情けない話足はガクガクするし、手だって震えてる。
逃げなきゃ、ヒーローを呼ばなきゃ、そう思うのに頭は真っ白になる。
女の子を人通りが多い場所に逃がし、敵の方を振り返る。
全部で7人、全員が刀を所持していた。
ヒーローを呼ぼうと思って携帯を取り出したときだった。
後ろからパタパタと数人の足音が聞こえてきた。
もしかしてヒーロー…！？なんて思って振り返ると雄英の制服を着た女の子、男の人が2人、小学生くらいの男の子が1人。
まずい…！一般人だ！
近づかないで、と言おうと口を開いたけど、先に女の子が逃げて！と叫ぶ。
こいつらのことを何か知っているのだろうか？
「君は！？っていうかこいつらは…！？」
「今はそんなこと話してる暇はない、早く逃げて！オオクリカラ、ホウチョウ、ホリカワ3ふりでいける！？」
オオクリカラ、ホウチョウ、ホリカワとは3人の名前だろうか？
っていうかいけるってまさか…！
嫌な予想が頭を過るやいなや呼ばれた3人は頷いて敵に向かっていった。
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牧島(プロフ) - 政府役人さん» コメントありがとうございます！受験終わったら沢山更新できるように頑張ります！ (2019年2月17日 11時) (
レス) id: 5ab46ea605 (このIDを非表示/違反報告)
政府役人 - 更新頑張ってください。体調に気をつけて無理せず更新してください。応援してます牧島様。 (2019年2月16日 21時) (レス) id: b826bbf687 (このIDを非表示/違反報告)
牧島(プロフ) - 元姫さん» コメントありがとうございます！嬉しくて励みになります。この連休はたくさん更新できるように頑張ります！ (2019年2月9日 16時) (レス) id: 5ab46ea605 (このIDを非表示/違反報告)
牧島(プロフ) - 黄泉さん» ありがとうございます！！とても嬉しいです！なかなか話が進んでいないんですが頑張って進めます！ (2019年2月9日 16時) (レス) id: 5ab46ea605 (このIDを非表示/違反報告)
元姫 - とてもおもしろいです！更新楽しみにしています！ (2019年2月7日 22時) (レス) id: 5cc9b8b817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：牧島 | 作成日時：2019年1月26日 23時
