弟にスマホ貸したら推しにブロックされました。【男主】

ブロックされました13. ページ15

『んぅ…』


目を開けるとぼんやりとした視界が広がる。


『…あれ？なんで俺寝て…』


右手にふわっとした感覚。
ふと、視線を落とすとそこには悠が寝ていた。
そこで思い出す。


『関係者席…いや、夢か』


二度寝をかまそうと布団の中でモゾモゾ動く。

『夢だな。うん。関係者席とか有り得ねぇわw コイツが持ってるわけねぇし。うん、夢』


自分に言い聞かせるためにブツブツ言っていると、「…起きたん…？」と聞こえてきた。
目を擦りながら、眠たそうな声な悠を見ると少し愛らしさが湧く。


『おはよう。二度寝かまそうとしてた』

さ「あ、そうなんや。んで、どうするん？ライブ。関係者s『やっぱ、夢じゃなかったぁあ！！！！』うるさっ！」

『だよね！関係者席だよね！聞き間違いじゃなかったわ！』

さ「関係者席…です…」

『てか、なんで関係者席？俺、浦島坂田船の方々とリスナーって関係しかないけど。深い関係ないけど。あったら炎上ものじゃんか』

そう。俺には浦島坂田船のリスナーという立ち位置しかない。
他の歌い手さんのように、遊んだことも、一緒にライブをやったりしたことは一切ない。
なのに、関係者席だ。謎でしかない。


さ「え？あるやん。関係」

『は？』

さ「俺、坂田やし」

『え？』


悠の言ってる意味が分からない。
そりゃそうだろ。【坂田悠】なんだから【坂田】だろ。


『あんな、悠。例え同じ苗字でもあの人は【となりの坂田】さんであって、【坂田】ではないんだよ？全くの別物なんだよ？』


すっごく優しい口調、笑顔を貼り付けて悠がわかりやすーーいように言う。
すると、何かに気づいたようで、慌てて言い直した。

さ「あっ！ちゃうねん！俺がそれ！【となりの坂田】！浦島坂田船の！！」

『はぁ？』


何を言っているんだこいつは。

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