拝啓俺の王様へ【 ｽｹｽﾀ 】

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ｶﾞﾁｬ ｯ


部室の扉を開くとそこには誰も居なかった


色んなところを探し回ってるが
一向に怜鳳は見つからない


まぁ練習中だし , しょうがないよな


『あっ』


ジャージ落ちてるし…誰のだよ


『えと名前名前…し の ざ き？
床に置きっぱとかだらしなさすぎでしょ』


呆れるわぁ



てかこれ怜鳳の匂いする…落ち着く



え , 俺さり気なくキモイこと言ったわ



『……少しくらい良いよね』



周りを見て誰もいないことを確認し
その場にしゃがみ込む



『暖かい』



ギュッと怜鳳のジャージを抱きしめると
まだ温もりが残っていた
怜鳳に抱きしめられているみたいで嬉しかった



ｶﾞﾁｬ ｯ



ん？ｶﾞﾁｬ ｯ ？？
とうとう耳まで馬鹿になったのかな ((


ジャージを被ってるせいで前が見えない
つまり誰が部室に入ってきたのか分からない


こっちに近づいてくる


突然ジャージを剥ぎ取られる
俺は反射的に手で顔を覆い隠す



『お願いします何でもするから
怜鳳にだけは言わないでくださいぃぃぃぃぃ』



「へぇ…何でもしてくれるんだ」



一気に血の気が引いた



その声の主は俺が探していた人だった



恐る恐る目を開けると
そこには腹黒い笑みを浮かべた怜鳳が居た

やっと会えて嬉しいはずなのに
今だけは会いたくなかった



「今どんな気分？」



言葉に詰まりそっぽを向く



「ねぇ , 答えなよ僕何しちゃうか分かんないよ」



正直言って怜鳳にだったら何されても良いんだけどな



「何それ誘ってる？」



『え？』



「全部口に出てるから」



村本死亡のお知らせです



『ん』



ちゅっ , とリップ音が響く
やけくそになりキスをしてしまった



「恋人じゃないのにしちゃうんだ」


余裕のない俺を更に焦らしてくる


『じゃあなってよ』



怜鳳は吃驚した顔をする



「どういう風の吹き回し？」


『俺の気持ちはずっと変わってないよ』



ただその気持ちに気づいてなかっただけ



「蓮ってほんと分かんない」






青い瞳が俺を捉えた







「やっぱり好きだよ」






やっぱり怜鳳は意地悪だ

言ってほしいことを言ってくれない


今の俺なら言えるんだ

聞いて







『 俺はね＿＿＿＿＿ 』






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