True Love's Kiss-2- (ページ13)

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やってきたエレベーターに乗り込んで。
ボタンを押すと、寂しさが一気に押し寄せてきた。

はぁ

寂しい・・・寂しすぎる・・・

エレベーターから降りて、自分でも思うくらい
トロトロと、ゆっくりあるく。

ふと、顔を上げると、一つの部屋の前で
しゃがみこんでる、ニット帽の男の人。

・・・あれ？

あそこ、私の部屋・・・だよね？

黒いダメージジーンズで、白いトレーナーのフードが
ジージャンの襟の所から覗いてて。
黒いニット帽から出てる、派手な色の髪。

膝に顔を埋めてて、顔が見えないけど・・・すぐわかる。。

ベクくん。

来てくれたんだ・・・

しゃがみこむベクくんの前で、足を止めると。
頭が動いて。マスクをしたベクくんが、私の足をみる。

「ベクくん？待ってたの？」

「・・・あ、Aちゃん。おかえり」

ニコって、笑うベクくん。
ドキドキする。

なんで。ベクくんなのに。

その行動自体が、もう私のこと、好きだと言ってて。

胸が痛い。

私なんかに、ベクくんはもったいない・・・

「楽しかった？」

よいしょっ、と腰を上げたベクくんが
私の手からルームキーを取る。

「うん、楽しかったよ？」

「ジョンデと仲良さそうだったじゃん」

「・・・色々はなしたし」

「どんな？」

っていいながら。
部屋のドアを開けて、私の手を引くベクくん・・・

「イズミのこととか。」

「そっか。」

「・・・うん。」

その背中を見て、思う。

会いたかったって。

そう思う自分の気持ちが
ますますわからない・・・