55 治療 ページ5
Yuta Side
ヘチャンの家に着き、扉を開けると悲惨だった。
玄関の隅にうずくまるAさんと、
涙声で「ヌナ…」と、声をかけるヘチャン。
玄関の大理石にあちこちと見られる血痕。
正直、俺に出来ることは、無いと思った。
けど、出来ることはやらなきゃ。
「Aさん、怪我したのは、右、左？」
『こっちの腕……』
ヘチャンが指さす先には血が滲んだパーカーの袖が見える。
「そしたらそっちの手、膝の上に乗せて。そうそう上手。」
映画の撮影で怪我をした際に心臓より高い位置に傷口を置くといいと習ったけど。こういう場合でも使えるのかな。
Aさんは体育座りして俯いたまま『悠太さんすみません』と呟いた。
「いや、全然。気にしないでくださいほんと。」
『ヌナ、血が…』
ヘチャンは完全に混乱状態だろう。
「大丈夫、大丈夫」
『ユタ、ほんとに大丈夫？』
「うん、死なないから大丈夫」
『何で分かるの？』
「え、YouTubeで見た」
自分で言って自分で吹き出す。
待って。浅っ、俺の知識。
浅い浅い。ちょっと待って、絶対今言うこと間違えた。
しかし混乱状態のヘチャンは
『そっかあ。YouTubeで見たんだ…』と謎に納得している。
Aさんは『ほんと笑わせないでください…』と肩を揺らしている。
あれ、意外と元気そう。良かった。
「イェジュンさんとは連絡されたんですよね」
『もうすぐ着くって、一緒に往診のお医者さんも来てくれるらしいです』
「なんですぐ救急車呼ばなかったんですか？」
『だって、大事になったらヘチャンに迷惑かかるから』
あぁ…そうか。
ヘチャンが泣くほどこの人と離れたくない理由がわかった。
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22(プロフ) - ヘチャンとして生きるための支えが、心休まる瞬間がなるべく多くあれば良いなと思っております。 どうかヘチャンもドンヒョクも作者さまも、心身ともに健康に幸せな夜を過ごせますように。 (1月21日 15時) (
レス) id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
22(プロフ) - 初めまして、ヘチペンです。 常日頃自分が抱える、生涯ヘチャンとしてステージに立ち続けて欲しい気持ちと、ドンヒョクとしての穏やかな幸せへの願いに近いものを感じて一気に読ませていただきました。 (1月21日 15時) (レス) @page18 id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：？ | 作成日時：2024年1月19日 9時
