76 同罪 ページ29
へなへなと扉の前にその場に座り込む。
何が起きた？
確か私はヘチャンを叱りに来て、
何で叱りに来たんだっけ？
というかさっき…………
自分の口元に指を添える。
独特な柔らかい感触が蘇る。
「あーーーーーっ！」
思い出して奇声を上げた自分が悪い。
その瞬間よしかかってた扉が開いて、そのまま後ろに倒れ込んだ。
ドンッという鈍い音がする。
幸いなことに頭は打ってないがおしりはしっかり打ち付けた。
『あのー大丈夫そうです？』
上からひょいと覗き込んできた顔には見覚えがあった。
「あ！！！ジョンウ！！！」
気づけば人差し指でジョンウの額を指していた。
『うぇっ、あっ、ヘチャンのヌナじゃないですか』
「先に言うことは？」
私がゆっくり立ち上がってジョンウを見る、
があまりに身長差がありすぎて首が痛くなる。
当の本人は「あっ！」と声を出したあと目を泳がせながら
バツの悪い顔で頭をかいている。
『チョキチョキですよ』
「は…………？」
ジョンウはハサミのポーズをしてニコッと笑った。
『カットすれば大丈夫ですよね？』
どうしてこの子達は自由気まますぎる生活スタイルをカメラに収めてしまうのか。
今までの編集者を幾度となく悩ませてきたことが分かる。
「カットする素材は要らないから、あの、編集しなくても大丈夫な素材が欲しいんですけど」
『でも、正直、悪くないと思いますよ？うん』
「え？」
『なんかもうお似合いなんでそういう風に売り出してみたらどうです？』
逆になんかありますか？のような顔で反抗してきた。
同罪のくせにしらこい。
「マネージャーとアイドルのセットなんて最悪でしょうがっ」
私が軽く拳を出してもするりと交わされる。
本気じゃないから当てるつもりもないけど、ここまで爽やかに交わされるとこっちがなんだか恥ずかしい。
『アイドルとアイドルよりはマシでしょー、応援しますよっ。ファイティンっ』
子犬スマイルでファイティンポーズまでされて完全に舐められている。
廊下から「ジョンウー」と声が聞こえた。
ジョンウは目をパッと輝かせ「ユター！！」と走っていく。
この数時間の疲労が、怪我よりも負担だ。
続く (更新停止中)
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22(プロフ) - ヘチャンとして生きるための支えが、心休まる瞬間がなるべく多くあれば良いなと思っております。 どうかヘチャンもドンヒョクも作者さまも、心身ともに健康に幸せな夜を過ごせますように。 (1月21日 15時) (
レス) id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
22(プロフ) - 初めまして、ヘチペンです。 常日頃自分が抱える、生涯ヘチャンとしてステージに立ち続けて欲しい気持ちと、ドンヒョクとしての穏やかな幸せへの願いに近いものを感じて一気に読ませていただきました。 (1月21日 15時) (レス) @page18 id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：？ | 作成日時：2024年1月19日 9時
