70 写真 ページ23
目を覚ますと、ヘチャンが微笑んでいた。
「おはよう、よく寝れた？」
私が相槌を打つ前に、優しい手が頭を撫でる。
「ヌナの寝顔、かわいい」
「見ないでよ、許可なく」
「じゃあ今度から許可とる」
「………それでいつまでこのなでなでは続くの？」
ヘチャンはハッとわざとらしく驚いたような顔をして
「撮影は無くなったからさ、今日はドライブデートしよう」
「えっ？そんなはず…」
「お家でまたデートしたかった？」
何かを見透かした三白眼と少し上がった口角に、私はすぐさま「いや、ドライブデートで。」と答えた。
「そ？行く先はもう決めた」
「どこに？」
「着くまで内緒」
ヘチャンは嬉しそうにエンジンをかけると、手馴れた手つきで車を走り出す。日光が眩しいのか、途中サングラスをかけて、鼻歌でも歌いながら陽気に運転をする。
気づけば私はそんな彼にカメラを向けていた。
カシャッという音に彼が振り向く。
「ん？」
「え、いや、分かんない。なんか…すごく画になるって…」
「俺ばっかりじゃなくてさ、こういうのは」
タイミング良く止まった信号。
私の手からすり抜けたスマホがヘチャンの手に握られる。
突然頬を掴まれる感覚に驚くとシャッター音がなった。
「ん。」と返されるスマホには、ヘチャンの手に収まる私と、彼の見た事のない幸せそうな笑顔が映し出されていた。
「これからも沢山撮ろうよ」
淡白で面倒くさがりな彼の言葉が意外だ。
「いいの？、」
「その代わり、俺も撮らせてよ。Aフォルダ作って埋めるんだから」
この先彼とどんな写真が増えていくんだろう。
笑ってる顔や、いじけた顔、嬉しそうな顔、おどけた顔。
悲しそうな顔だけは、見たくない。残したくない。
私はスマホに映し出されるツーショットを見つめていた。
「着いたよ」
「もう？」
「早く降りて、ほらほら」
ヘチャンは楽しそうに貴重品をポケットに詰め込んで外へ出た。
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22(プロフ) - ヘチャンとして生きるための支えが、心休まる瞬間がなるべく多くあれば良いなと思っております。 どうかヘチャンもドンヒョクも作者さまも、心身ともに健康に幸せな夜を過ごせますように。 (1月21日 15時) (
レス) id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
22(プロフ) - 初めまして、ヘチペンです。 常日頃自分が抱える、生涯ヘチャンとしてステージに立ち続けて欲しい気持ちと、ドンヒョクとしての穏やかな幸せへの願いに近いものを感じて一気に読ませていただきました。 (1月21日 15時) (レス) @page18 id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：？ | 作成日時：2024年1月19日 9時
