53 動揺 ページ3
Haechan Side
ユタヒョンに家まで送ってもらった。
『元気出せ〜！らしくないな！』って言ってたけど、
なんか嫌な予感がして空元気すら出ない。
ガチャガチャと乱雑な音が玄関から聞こえる。
ヌナが帰ってきたんだろう。
バタンッ、という大きな音に驚き、玄関に向かう。
「ヌナ、もう夜だからもう少し静かに扉閉め…」
玄関には靴も脱がずにうずくまるヌナがいた。
「どしたの？」
走って帰ってきたのか、息が上がってる。
「ヌナあ、そんな所居たら寒いでしょ。早くあがりなよ」
手を引こうとするとヌナは涙を零しながら俺を見た。
「どうしたの、…？」
震えて動かないヌナに視線を落とす。
ほら。ユタヒョン、言ったじゃん。
嫌な予感するって。
『ごめん、ね。パーカー、汚しちゃった………』
ヌナの視線の先には赤黒く染まるシミがある。
「いや、そんなの……そんなのどうでもいいって……」
声が震える。
力が抜けるようにヌナの前に座り込む。
ヌナの顔は歪んでて、相変わらず肩で息している。
どうしよう、どうしよう。
ヌナが死んじゃうかも。
俺が泣いてる場合じゃないのに涙が出てくる。
袖で涙を拭う。しっかりしろ、俺。
「ヌナ、動ける？」
ヌナは立ち上がろうとしたがよろけて、また玄関のドアにもたれかかってうずくまる。
あぁ、ヤバいかも。本当に。どうしよう。
「きゅ、救急車。呼ぶよ？」
『いい！』
突然の大声に怯む。苦しそうな顔で、ヌナはポケットから携帯を落とすと足で蹴って、俺の目の前に滑らせた。
『イェジュンさんに電話かけて』
イェジュンさん？
確かに上司だけど、それより先に救急車呼んだ方が…
『かけて』
催促され、俺は携帯を拾い上げヌナの電話帳からイェジュンさんを探す。
同様で手元と視線が滑る。
「かけるよ」
『うん』
何コールかなった後、久しぶりに聞く懐かしい声がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1088人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
22(プロフ) - ヘチャンとして生きるための支えが、心休まる瞬間がなるべく多くあれば良いなと思っております。 どうかヘチャンもドンヒョクも作者さまも、心身ともに健康に幸せな夜を過ごせますように。 (1月21日 15時) (
レス) id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
22(プロフ) - 初めまして、ヘチペンです。 常日頃自分が抱える、生涯ヘチャンとしてステージに立ち続けて欲しい気持ちと、ドンヒョクとしての穏やかな幸せへの願いに近いものを感じて一気に読ませていただきました。 (1月21日 15時) (レス) @page18 id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：？ | 作成日時：2024年1月19日 9時
