67 撮影 ページ20
早くに撮影場所に着いたせいか、
周りにはスタッフと数名のメンバーの車しか
駐車場には止まっていない。
ヘチャンはスタバの紙袋を2つ持ちながら
重たいスタジオの扉を開けた。
『可愛い弟からの差し入れですよ〜』
ヘチャンの声に反応したメンバー達が集まってくる。
『ヌナ、ごめんこれ配っておいて』
と言ってヘチャンは駆け足でまた扉を出ていく。
「えっと、アメリカーノの人？」
『俺！俺！』
『俺もかな』
「オレンジティーは？」
『僕だね〜ありがとー』
何となくで配っていると悠太さんがやってきた。
『俺配ろうか？その手だと大変でしょ』
耳打ちするように話しかけられ、ドキッとする。
「あっ、いや…」
『ええて、貸してみ』
そのまま紙袋を抱えてメンバーに配りに行く。
その時ヘチャンが新しい袋を持って帰ってきた。
『もう配り終わった？』
「あっ、いや悠太さんが、その手だからって」
『あー…なるほどね』
「そして、それは？」
私が指さした袋にはパンがいくつか入っている。
『これはスタッフさん用。ヌナも好きに食べて良いよ』
感心そのもの。
いや、我ながら良い子だ。私の息子じゃないけど。
ヘチャンはスタッフさんたちの元へ小走りで行き
『これ、あそこに置いとくので好きに食べてください〜』
と一声掛けに行った。
その時、監督さんとヘチャンが何かを話していて、
数秒後には「きゃっほー」と跳ねながらメンバーの元へ慌ただしく走っていった。
『撮影準備まだかかるから1時間後開始だって〜』
『あ、マジ？ヘチャンの願望じゃなくて？』
『違うって、さっき監督さんから言われたもん。ね、監督〜』
とヘチャンが言うと、監督さんは大きく頷いた。
メンバーたちは立ち上がって謎の奇声とダンスをしながら
散り散りになっていった。
小走りで戻ってきたヘチャンは「ヌナ、車戻ろ」と声をかけてきた。私の返答を待たず、重く大きいスタジオの扉を開けて手招きする。
私は周りを見渡しながら、ヘチャンの言う通り、自分たちの車へ戻って行った。
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22(プロフ) - ヘチャンとして生きるための支えが、心休まる瞬間がなるべく多くあれば良いなと思っております。 どうかヘチャンもドンヒョクも作者さまも、心身ともに健康に幸せな夜を過ごせますように。 (1月21日 15時) (
レス) id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
22(プロフ) - 初めまして、ヘチペンです。 常日頃自分が抱える、生涯ヘチャンとしてステージに立ち続けて欲しい気持ちと、ドンヒョクとしての穏やかな幸せへの願いに近いものを感じて一気に読ませていただきました。 (1月21日 15時) (レス) @page18 id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：？ | 作成日時：2024年1月19日 9時
