66 運転 ページ19
結局朝方まで話していたが、
仕事の準備のため家に帰って、ヘチャンを迎えに行った。
玄関のフロントのソファでうとうとしている彼を見つける。
「ヘチャナ、迎えに来たよ」
『ありがと、怪我は？』
「大した事ないよ」
『さすがに、今日は僕が運転します〜』
「え？」
気づけば私の手から車の鍵を奪い、
早歩きで車に近づいて行った。
助手席の扉を開けた彼は「ささっ、A様」と微笑む。
いつから執事になったのだろうか。
しかし、さっきのうとうとを見ていると
事故でも起こすんじゃないかと心配だ。
「ヘチャナ、大丈夫だよ運転できるよ」
『その手で運転する姿見たくないです〜』
言われてみればヘチャンの運転姿は初めて見る。
片手でハンドルを切る。信号待ちには流行りの曲を口ずさむ。
これが所謂彼氏感なのだろうか。
『ヌナ、朝ごはんは？』
「あんまりお腹減ってないや」
『おけ、スタバ寄っていい？メンバーから朝ごはん頼まれてて』
「もちろん」
事務所の近くのスタバはもはや
私たちが株主と言っても過言ではないほどヘビーユーザーだ。
ヘチャンがLINEを見ながら商品を注文する。
メンバーが多い分、両手に紙袋いっぱいになった。
商品を受け取ろうとすると『あ〜いい、いい。』とヘチャンに遮られた。
『ヌナ自分が怪我してること忘れてる？』
「覚えてるようで忘れてたかも」
『ほらやっぱり』
『治るまでは無茶しないで安静にしてよね、ヘチャナのヌナなんだから、心配だし…その………』
何かを言いかけてやめたヘチャンの方を見ると窓に頬杖をついている。
『大事だし』
「…何が？」
『なんでもない』
またいつものスケジュールが始まった。
腕の傷は痛むけど、心は暖かい。
人に久しぶりに優しくされたからか、
いや、ヘチャンが優しくしてくれたからか。
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22(プロフ) - ヘチャンとして生きるための支えが、心休まる瞬間がなるべく多くあれば良いなと思っております。 どうかヘチャンもドンヒョクも作者さまも、心身ともに健康に幸せな夜を過ごせますように。 (1月21日 15時) (
レス) id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
22(プロフ) - 初めまして、ヘチペンです。 常日頃自分が抱える、生涯ヘチャンとしてステージに立ち続けて欲しい気持ちと、ドンヒョクとしての穏やかな幸せへの願いに近いものを感じて一気に読ませていただきました。 (1月21日 15時) (レス) @page18 id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：？ | 作成日時：2024年1月19日 9時
