63 普通 ページ13
Haechan Side
それから暫くしてAヌナが来た。
最初はどうなるかと思ったけど。
俺が「飲み物欲しい」と言ったら、『うん。持ってくるね』と嫌な顔1つせず走って取りに行ってくれた。
『どれがいい？好きなのある？』
しかも、何種類か用意していてくれて。
『またなんかあったら、近くに居るから呼んで』
これが普通のマネージャーなのか？
だって今までの人は送迎だけで、基本現場にも居なかった。
次の現場へ移動する時も『ヘチャン、そこにお昼ご飯あるから好きなの食べて』っていつも用意してくれてる。
たまに「食欲が無い」と伝えると『そんな日もあるよね、水だけでも飲めそう？』と、食欲がない俺を否定しなかった。
そして、不思議と日付が変わる前に帰れる日が増えた。
仕事量が減った気はしない。
それも全部Aヌナのお陰だと知った時、
この人の為に頑張りたいと思えた。
『ヘチャン、Vlogの撮影なんだけど』
ドキッとする。また1週間以内にあの機材抱えて生活しないといけないのか。
『来月までに、ちょっとずつ撮れそう？』
「えっ、来月まで？」
『厳しそう？厳しかったら全然調整するけど』
「…いや。前回は1週間以内に。って」
それを聞いたAヌナは心底驚いたようで目をうさぎのように丸くしていた。
『それ大変だったでしょ。今回はゆっくりでいいから。難しそうだったらその時点で教えて。』
手渡されるスマートフォン。
「これは？」
『あれ、前回これじゃなかった？』
「なんか重たいビデオカメラみたいな…。あとGo Pro」
『アクティビティでもしに行ったの？』
「いや、ほとんど仕事中に撮りました」
『うぇ〜？なんでそんなのヘチャンに渡したんだろうね…とりあえず、今回はこれで撮っておいて』
手渡されたスマートフォンはクリアケースに、保護フィルムがちゃんと貼ってある。
『一応初期設定しておいたから、普通のカメラアプリで動画撮ってくれれば大丈夫。使い方分からなかったら、聞いて？』
「誰に？」
『誰にって？私以外居る？』
ヌナは笑って手を叩いた。
「ヌナに聞いていいの？」
『当たり前でしょ笑 マネージャーなんだもん』
俺は最高のマネージャーに出会えたと確信していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1089人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
22(プロフ) - ヘチャンとして生きるための支えが、心休まる瞬間がなるべく多くあれば良いなと思っております。 どうかヘチャンもドンヒョクも作者さまも、心身ともに健康に幸せな夜を過ごせますように。 (1月21日 15時) (
レス) id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
22(プロフ) - 初めまして、ヘチペンです。 常日頃自分が抱える、生涯ヘチャンとしてステージに立ち続けて欲しい気持ちと、ドンヒョクとしての穏やかな幸せへの願いに近いものを感じて一気に読ませていただきました。 (1月21日 15時) (レス) @page18 id: 3233d5043a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：？ | 作成日時：2024年1月19日 9時
