パラサイトキス/rbr ページ30
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これが愛情かと聞かれたらそうだとも言えるし違うとも言えるだろう。
「A」
寒空の下、今にも泣き出しそうな空にぷかぷかと浮かぶ紫煙を見るともなしに見ていれば背中からかけられた声に首を後ろに倒せば困ったように笑うロボロの姿。
「またそんな薄着で表出たら風邪引くで」
『うん』
手に持ったブランケットを私にかけてくれた彼の方こそニット一枚で寒そうだと思い、ガッチリした体を引き寄せ密着させ広げたブランケットを彼の肩に分ける。
「Aさん俺中に入ろう思ったんやけど？」
『えーいてよ』
「しゃーないなぁ……」
『ふふ』
彼の体にすり寄れば一瞬にして心音が早まる。トクトクと刻まれる音が心地いい。
『……今日はする日？』
「……シようか」
たまに思うんだ。この人がいなかったら私は今頃どうしていただろうと。
始めは“頼ってくれていいよ”と言ってくる人も最後は“寄生虫”だの“金目当て”だの言いたい放題言って去って行く。
私は初めに言っていたはずだ。「貴方が必要だ」と。
その五文字に全てを詰め込んで伝えていた。そうロボロに話せば「言葉が足りん」と笑われた。そして彼は「俺んとここーへんか？」と真っ赤な顔をしながら言った。
こんな私を許して側に置いてくれるロボロが私は好きだ。都合がいいから好きなでは？と聞かれてしまえばそれで終わりだと思う。
「“常識”ってそんなに大事か？」
私と付き合うことで周りから言われるであろう批判に懸念していた時に彼がくれたこの言葉が私を救った。このままでもいいんだなと思えてしまう。
優しい彼が好き。わがままを聞いてくれる彼が好き。それの何が悪いの？
そんなの彼がかわいそうだよ。って、好き嫌いなんてその人の価値観によって違うんだから。
この人に甘やかされてから私はもっと強欲になったみたいだ。
「好きやで。……なんて、言うと思った？」
暖かい温もりに包まれ、彼の肌に触れ、気持ちいい部分に触れられ、快楽に満たされていれば妖艶に微笑むロボロ。
首を横に振ればわかってるやん、て満足そうに微笑む。
「愛しとるで……」
そう耳元でささやかれ下腹部が一層熱を帯びる。
『なんで私を愛してくれるの？』
「だってA、俺がいなきゃ生きていけへんやろ？」
私は彼に寄生して、依存しないと生きていけない。
私に甘い彼の口づけに今日も冒される。
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