【wrwrd】「 ─────── 」【企画前編】 (ページ22)

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この人生に終焉を/sha ページ22

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むかーしむかし、あるところに一人の美しいお姫様がいました。

こんな導入のお話はいくらでも、腐るほどありますが、そんなありふれた有象無象とは一緒にしないで頂きたい。
このお姫様は普通のお姫様とは違います。

ただ美しいわけではありません。
とっても、素晴らしく、最高に、この上ないほど美しいのです！

どうでしょう、お分かりになりましたか？

これは、そんな美しすぎた姫のお話。

＊

緩やかで心地の良い風が吹き、平和のイメージをそのまま具現化したような安寧の日々が続く国。
そこに、キラキラと溢れんばかりのたくさんの星が降った夜。
愛らしい姫が生まれたのです。

国は盛大な宴を開き、三日三晩祝杯を交わし、誰もが姫の誕生日に祝福を送りました。

服を、靴を、お包みを、おもちゃを、他にも贈り物はたくさん。
国の王様とお妃様、つまり両親からはAという名前を。

「愛らしい我が子に、Aと名付けましょう。」
「この子の未来に多大なる祝福がありますように。」

そう願って。

宇宙を閉じ込めたように星の輝く瞳を持つ姫は、大変周りに愛され、すくすくと育ちました。

栗色の艶のある髪、白い肌、薄く桃色に色付いた唇。
くるりとカールした睫毛に、スラリと華奢な肩。

これを美少女と言わずして何を言う。
その辺の草花すらも霞んで見えてしまう程の美しさ。
そして物怖じせず、人懐っこい笑顔の愛らしさ。

国中の誰もが恋に落ちるような、そんな美少女に成長したもうすぐ16歳になる春。

事件は起きたのです。

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