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episode:3 ページ3

祝言を無事に終え出席してくださった皆様もお帰りになり気づけば日はとっぷりと暮れていた。湯浴みを終わらせ通された部屋には1組の布団と煉獄様。


思わず目を逸らしそうになったが失礼に当たると思い何とかこらえるが、駄目だすぐに頬が火照ってしまった。


なんたって今日は初夜、当然同じ部屋だろうとは思っていたがこちとらこれまで関わってきた男性なぞ殆どが身内なのだ。


やることはしっかりきっちりみっちりと母上に仕込まれているが、どんな表情をすればいいのかが分からない。とりあえずこれだけ入っておかねばと思い口を開く。


『不束者ですが今日からよろしくお願いします、煉獄様』
「こちらこそよろしく頼む」


頭を下げれば煉獄様も同じように頭を下げた。顔を上げたあとバチりと視線が合い煉獄様が微笑まれたのを見て体感温度はさらに上がる。


できるだけ余裕のある大人な女性を演じたかったのだがこれではまるで駄目だ。未通女が太刀打ち出来るような並大抵のお方ではない。どうしたものかと少し視線が泳ぐ。


「その、だな」
『どうかなさいましたか、煉獄様』


顔を上げて煉獄様の方を見る。今度は煉獄様の視線が泳ぐ番であった。どうしたのだろうかと次の言葉を待つ。


「…君も今日から煉獄だろう?」
『そうでございますね』
「その、だから、だな…下の名前で呼んでもらえないだろうか…?」


初めてお会いした日から自信で満ち溢れていた瞳がこの時ばかりは少し曇る。


せっかく湯浴みをしてすっきりしたというのにじんわりと汗をかいてしまう。


鍛え抜かれた身体を少し縮こませる煉獄様があんまりにも可愛くてそろりと手を伸ばしぎゅっと丸められた彼の手にそっと触れる。
ぴくりと肩が跳ねた。



『…では、杏寿郎様とお呼び致しますね…?』
「いや、杏寿郎でかまわない」
『……杏寿郎…………………さん……』
『……今はこれで勘弁してください……』

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎
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にゃんちゅう(プロフ) - 凄くきゅんきゅんして読んでて楽しいです!更新楽しみにしてます! (2021年1月23日 0時) (レス) id: b651083bfd (このIDを非表示/違反報告)
杏鈴 - 最高!!!! (2020年3月10日 7時) (レス) id: f613416e65 (このIDを非表示/違反報告)
しょっと - どきどきします、最高でした!応援してます!!! (2020年2月24日 0時) (レス) id: 457ce269b7 (このIDを非表示/違反報告)
さささ - たまらなく好きです、夫婦最高たまらんです、、、 (2020年2月20日 15時) (レス) id: 893fe78743 (このIDを非表示/違反報告)
とみおか。 - 煉獄杏寿郎が可愛い!!!!!!よもやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!……失礼。好きです(( (2020年2月19日 22時) (レス) id: 4f05449344 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水月華 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年2月17日 21時

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