episode:8 ページ8
しかしいつまでたっても衝撃は来ず恐る恐る目を開ければすぐ近くな彼の顔が。
どうやらこけないように引き寄せてくれたらしい。状況を理解した瞬間一気に顔に熱が集まった。
紫色の瞳と目が合ったが勢いよくそらす。
「だから走るなって言ったでしょ？そそかっしいすね」
『…その…あの、すみません……』
「はぁ、転けたら痛い思いすんのは先輩なんですから気をつけて下さいよ？」
『…はい』
さっきのように手を繋いだ状態に戻る。申し訳なさでいっぱいで少し落ち込んでいる私に彼は呼んだ。
「先輩」
そちらを向けば優しく目を細め微笑む彼がこちらを見ていた。
「ほら、ペンギンのいる所に行くんでしょう？」
そっと手を引かれる。その表情、声、行動全てにときめきひとりでに心臓が鳴るのだ。赤い頬がバレないように俯きながら彼について行った。
─────
『ふぉぉ、か、かわいい〜〜〜〜〜〜』
餌を食べたり水の中に飛び込んだりと思い思いに過ごすペンギンたちを見つめる。
あまりの可愛さに水槽に張り付くように見入ってしまう。また彼に笑われるだろうかと思いバレないように彼の方を見れば珍しく熱心にペンギンを見ている。
その表情はどこかあどけない少年のようで気付けば頭を撫でていた。
「…いきなりなんすっか」
『あ！すみません！！その、可愛いらしいなって思ったら手が勝手に……』
慌てて謝罪すれば両の頬を軽くつままれ引っ張られる。
『なにひゅるんえしゅか！！』
「ははっ、先輩の方が俺よりずっと可愛いっすよ」
『はぁ！？』
すぐに手は離され彼は別方向をむく。うるさい心臓に静まれと言い聞かせるも全く効果はない。
再び繋がれた手が先程より暑く少し見えた彼の頬が赤かったのは気の所為であろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 981人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
人外人間白乃雫(プロフ) - shpくんと夢主ちゃん尊…尊すぎて貧血(>´^`<)(？) (3月13日 9時) (
レス) @page12 id: 4a8cb482e0 (このIDを非表示/違反報告)
シュナ - ショッピ君のせーんぱいは反則やな。(確定ちゃいます?)この作品に感謝を。 (2019年12月8日 13時) (レス) id: e68f489c1a (このIDを非表示/違反報告)
mind - はぇ〜〜〜〜〜ショッピくんずるいわ〜。こんなにかっこいいなんて聞いてませんわ〜 (2019年9月7日 3時) (レス) id: 63cda1f554 (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - え、めっちゃ好きです。ショッピくんかっこよすぎですよぉぉぉ…！こんな素晴らしい作品を書いていただいてありがとうオリゴ糖でございますぅぅぅ！(土下座) (2019年9月5日 22時) (レス) id: 7b0029aa38 (このIDを非表示/違反報告)
はるも - ふ、不意打ちキスはダメだよぉ…。反則だよぉ…。 (2019年9月4日 4時) (レス) id: 6896b2bbfd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
