＊ ページ3
総統室から自室まで長い廊下をまた一人で帰る。ふらつく足を叱責して。すると誰かが騒いでいる声がする。
「だまれや、不人気！！」
「誰が不人気や！このくそチワワが！！！」
コネシマさんとシャオロンさん。どうやらなにか揉めているらしい。こんな時は大抵内ゲバに発展するので早急に逃げた方がよし。
早足で去ろうとするがどこからか1本のナイフが私の元に。避けられる、そういつもなら。
残念なこと私はすこぶる体調か悪く身を翻し避けたのだが完全に避けきれておらず
ザシュッ
髪の毛の一部が切れてしまった。思わず目を見開く。
「こんぐらい避けろや、ほんま無能やな」
「まぁ、うざったい髪が短くなってええんちゃうん」
『んもう！内ゲバも程々にしいや〜。粛清されてまうで』
へらへら笑って、胸が痛い。いつからだろうかこの水色の目と黄色の目が楽しげに細められて内ゲバに参加させてもらえなくなったのは。
まぁ、それもまた私が無能なせいで。しょうがない、しょうがない。
その場をあとにして今度は早足で自室に帰る。どうしようもなく泣いてしまいそうで唇をかみ締めしかしその顔を誰にも見られないように俯いて。
───
自室のハサミで髪を切る。
ジョキジョキジョキ
ロボロさんと同じぐらいまで切り刻む。腰まであった髪は無残にも切られて床にちらばっている。
『綺麗って言ってくれたんやけどなぁ』
みんなが褒めてくれた髪の毛はいつも欠かさず手入れをしていたし、気にかけていた。でもうざったいって言われたし女のままじゃこの組織には居られなくなるかもしれない。
どうしようもない気持ちになってなんだか泣きそうででも涙は出なくていつものヘラヘラとした笑顔にしかなれない。
クローゼットの中のスカートもワンピースも全部捨てた。残ったのは真っ黒なシャツとズボンだけ。色鮮やかだった私のクローゼットは気づけば黒だけですっからかん。
黒のシャツを身にまとってズボンを穿いてベルトをしめる。
あなた達のそばにいられるなら、私女を辞めてもいいんやわ。
きっと私が無能やなかったら前みたいに戻れるんよね。
私、頑張るから。まだ傍におらしてね。
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もふもふ - 初コメします。今泣きながら読んでます。神作品を産んでくれてありがとうございます。 (2022年11月24日 18時) (
レス) @page12 id: a41408c385 (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 水月華さん» すみません。そうだったんですね…。勝手なことをしてすみません。ですが私の端末ではコメを消せないので作者様が消してもらえるといいです。 (2019年11月6日 22時) (レス) id: 95908891b8 (このIDを非表示/違反報告)
水月華(プロフ) - 当作品の中にパスワードについて記載しておりますのでそちらをご確認ください。申し訳ないのですが読みたいと思っている方だけに読んで頂きたいと思っておりますのでそうでない人の目にもとまりやすいコメント欄でパスワードを書くのはやめてください。 (2019年11月6日 8時) (レス) id: fac1d7eb45 (このIDを非表示/違反報告)
うさ - パスワードは1029です。本人様ではなくすみません。ストーリーの中で見つけられず、コメ欄に来た方々にこのコメを見ていただけるとありがたいです。 (2019年11月4日 15時) (レス) id: 95908891b8 (このIDを非表示/違反報告)
案山子 - 凄く面白い作品でした！是非続編が見たいので、パスワードを教えてもらってよろしいでしょうか？ (2019年11月4日 1時) (レス) id: 51ee2da9ff (このIDを非表示/違反報告)
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