彼女とおでかけ ページ11
『トンちゃんどうする？』
「んー俺はここで待っとくわ、行っといで」
『うん！じゃあちょっとまっててね！』
楽しげに店に入っていくAを見送って、さてどうしようかと悩む。ここで待っているとは告げたものの彼女はあの店に入ると3〜40分は出てこない。まぁ、彼女が楽しそうだからまつのも苦ではないのだが。
キョロキョロとあたりを見渡すと良さそうな店があったので入ってみる。
ぐるりと一周してみるとガラスのケースに入ったピアスに目を奪われた。
彼女の耳にはピアスの穴が開いている。それは高校卒業後俺が開けるのと一緒に開けたのだ。あの時はかなり駄々をこねられて涙目でお願いされて最後には殺し文句まで来たのだ。断れるわけがなかった。
───
『私も開ける』
「ダメや」
『なんでよ！』
さっきからこの会話の繰り返し。小1時間開ける開けないで言い合いをしている。彼女はほっぺたをプクりと膨らませて俺の背中をペシペシ叩きながら顔をグリグリ押し付けて文句を言っている。可愛いが、ダメなものはダメ。
なんで俺がここまで許可しないかと言うと、彼女の耳に誰かが触れてその上穴まで開けられるというのがたまらなく虫唾が走るからだ。
「何回言っても絶対だめやから、そもそもなんでそんなに開けたがるんや」
『…………肌身離さずつけてられるもんが欲しいんやもん……』
『…これから大学とか就職したらすれ違うことなんていっぱいあるだろうけどとんちゃんを思い出せるものがあれば頑張れるかなぁ、なんて…』
ぎゅっと服を握りしめ出された言葉はすごく寂しそうでそれでいて可愛くて。何よりも俺との関係をこれから先ずっと望んでくれているというのが死ぬほど嬉しい。それでも
「…俺はAに知らんやつが触れてピアスホール開けるなんて絶対嫌や」
『そんなん私だってトンちゃんに知らん人が触れて開けるなんて嫌やわ。だってトンちゃんは私の彼氏やのに！』
少しむくれた声。いちいちツボをついてくるから心の中は今可愛いでいっぱいだ。
『じゃあトンちゃんが開けてよ』
『私、トンちゃんにだったら痛くても開けてほしいよ。私のハジメテ貰ってくれへんの？』
「……ｯｯ。もうわかった。俺が開けたるわ」
降参降参。あざとすぎますわぁ。俺の首元に後ろから抱きついてきた彼女な頭を撫でる。
そして俺達はお互いにピアスを開けた。
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らばーしざー - 初コメ失礼します……！はっきり言います！最高ですか……！？もう最初っから最後まで尊いの詰め合わせすぎてずっとニヤニヤしながら読んでました()最高に可愛いすぎて心が浄化されまくりました。ありがとうございました！！ (4月1日 16時) (
レス) id: ccb9d23ce7 (このIDを非表示/違反報告)
人外人間白乃雫(プロフ) - 翻訳機を使っています とても素晴らしい作品です！。私はあなたを応援する！。 (3月13日 9時) (レス) @page28 id: 4a8cb482e0 (このIDを非表示/違反報告)
７７４ - 爆発しました！！最高です！！これからも応援してます！ (2022年1月26日 22時) (レス) id: ac6e1f1de0 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - 完結おめでとうございます！！なんか寂しくなります…うわぁぁあん(T-T)でも本当におめでとうございます！！ (2020年5月2日 15時) (レス) id: 5357f72739 (このIDを非表示/違反報告)
はちごろう(プロフ) - はあ〜(満足)すごく良き！一気に読んでしまいました。特に電車のくだり、構成もよくってドキドキしながら読めました！ラストも綺麗にまとまっていて読後感最高！素敵な作品をありがとうございました。完結おめでとうございます！！ (2019年8月31日 12時) (レス) id: 7fbb6746f7 (このIDを非表示/違反報告)
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