君に永遠の愛を (ページ42)

今日:22 hit、昨日:16 hit、合計:16,159 hit

24-1 ページ42

王を取り戻したエドラスだったが、
次なる驚異が迫っていた。

アイゼンガルドに攻めいることを
進言するアラゴルンたちだったが、
セオデンはヘルム渓谷へ
民と共に避難する決意をした。

皆が準備を進める中、
Aは与えられた部屋の窓から
街を見下ろしていた。

レゴラスの前で
二回も力を使ってしまったことで、
レゴラスが何か
感づいているのではないかと
彼女は不安になっていた。

彼に話すことも考えたが、
自分との未来を考えてくれている彼を
絶望の淵へ追いやるようなことになると思い、
打ち明けることが出来ないでいた。

思いにふけいっていると、
部屋のドアがコンコンと音を立てた。

レゴラスでも来たのだろうと思い
彼女がドアを開けると
そこに居たのはエオウィンだった。

「良かった。いらっしゃった」

少し息を切らしながら、
嬉しそうにAを見つめるエオウィン。

「まだお礼が言えていませんでした。
A様。
伯父を助けていただきありがとうございました」

そう深々と頭を下げるエオウィンを見て、
Aは慌てた。

「頭をお上げください。エオウィン様。
セオデン王を助けたのは、私の使命でございます」

それに…と彼女は続ける。

「私はエオウィン様に"様"などと
呼ばれる身分ではありません。
どうか、Aとお呼びください」

養父が裂け谷の主であるが
自分は拾われた身であることを、
自覚しているAは
そうエオウィンに告げた。

でも…と渋るエオウィン。

そして、何か閃いたのか口を開いた。

「じゃ、こうしましょう。
Aも私に"様"など
付けないでください。ね」

と可愛く首をかしげるエオウィン。

「分かりました。エオウィン」

Aがにっこり笑ってそう言うと、
エオウィンは嬉しそうに
Aの手を握った。