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一行が部屋から出て
果てしなく広い、広間を走った。

しかし、それを
たくさんのオークたちが取り囲んだ。


「≪へへ、久々の食事だな≫」

「≪女が居るぞ。しかも他と違っていい匂い≫」

「≪この匂いは…
サウロン様から聞いたことがある。
あの女、聖女だぞ≫」


オークたちがガヤガヤと話し出す。

レゴラスには彼らが
何を話しているのかが嫌でも分かった。


「(聖女だと?セティが?)」


彼は自分の知識の中にあった
聖女を思い出す。


「(先の戦で力を使い果たし、
消えてしまったという…まさか、そんな)」


そんなはずはないと思いながらも、
先ほどのことも含め
思い当たる節がありすぎた。

しかし、今はそんなことを
考えている場合ではないと頭の隅に追いやる。


そんな時、オークたちが静かになった。

それと同時に地の底から
恐ろしい音が響き渡った。

するとオークたちは
一斉に天井や横穴に逃げていく。


「あやつは…バルログじゃ。
お前たちが叶う相手ではない。逃げろ」


ガンダルフの言葉に
一斉に走り出す一行。

レゴラスは今度こそ
アラゴルンに奪われないよう、
真っ先にAを抱えた。

いきなりのことで驚くA。


「暴れないで。
この旅が終わるまでは
君からの答えはもらわない。

今は共に歩んできた仲間として、
幼い頃からの友として君のそばに居たい。
だから私を避けないでくれ」


「レゴラス…私も貴方と共に
この旅を終わらせたい」


「今はそれで十分。
旅が終わったら覚悟しておいて」


笑顔で語り掛けてくるレゴラスの言葉に
一瞬表情が曇るA。

でもすぐに微笑み返す。


「えぇ…覚悟しておきます。
それから、もう大丈夫なので降ろしてください」


レゴラスは彼女にそう言われ
仕方なく彼女を降ろし、手を引いて走り出した。

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作者名:奏風 | 作成日時:2022年9月19日 20時

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