君に永遠の愛を (ページ19)

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その時、Aが
バッと後ろを振り向いた。

「セティ、どうした？」
「アラゴルン！」

レゴラスの問いかけと
サムの悲痛な叫びが重なった。

アラゴルンたちが振り返ると、
最後尾にいたフロドが
湖から伸びてくる無数の触手に
捕らえられたところだった。

先に気づいていたAは
怪物の頭に矢を叩き込む。

エルフに鍛えられたその腕は確かだった。

レゴラスの矢もあとに続く。

アラゴルンがバシャバシャと音を立て、
怪物の触手を叩き切った。

ボロミアが落ちて来たフロドを受け止め、
坑道に入っていく。

それを見届けたアラゴルンが
レゴラスとAに声をかけ
坑道へ入るよう促す。

二人は最後の一発とばかりに
渾身の矢を放ち、アラゴルンの後を追った。

怪物は触手を足のように使い、陸へ上がってきた。

しかし、坑道の入り口は
その力に耐えきれず崩れてしまった。

一行は進むしか他、なかった。

Aは底知れぬ闇を感じて身震いした。

今までにない恐怖が彼女に襲いかかった。

「セティ、どうした？」

「いえ、大丈夫です。
深い闇が少し怖くなっただけです」

Aはそう言うと
レゴラスの手を取った。

「レゴラス、貴方が
隣に居てくれるだけで私は強くなれます」

「セティ、君は…」

何を隠している？

そう聞きたいのに
聞けないレゴラスは口を閉ざした。

そんなレゴラスを不思議に思ったA。

「レゴラスこそ大丈夫ですか？
ほら行きますよ」

彼を元気づけるように
繋がったままの手を引いて、
彼女は先を行く仲間たちの後ろを歩き出した。

しかし、それも束の間の出来事。

目敏いピピンとメリーに見つかり、
彼女は真っ赤な顔をして先に行ってしまった。

レゴラスは2人をギロリと睨むと
本来の役目である先頭の位置に急いで戻った。

「あの2人をからかうのは止めような」

メリーの言葉にピピンは
ブンブンと首を縦に振った。