五関くんの幼なじみ

2009年　成人式1（五関） ページ27

奏「あーあ、振袖着たかったな」

神社に向かう車の中
運転手はりっくんだし、
乗ってるのは、俺と袴姿のAだけ。

ボソッと呟いた
Aの言葉に
車の中は微妙な空気が流れる。

俺はかけてやる
言葉が見つからず
黙ってしまった。

奏「あっごめん。
　 ちょっと思っただけだから
　 困らないで」

俺たち2人の空気を感じ取ったのか、
Aは申し訳なさそうにする。

そりゃ、女の子だもんな。
公には難しいけど
何とかしてやれないかな？

神社に着き、
他のジャニーズの子と合流して
Aは中へ入っていった。

Aももう大人なんだな。
ますます、わがまま言わなくなるだろうな。

　「りっくん、なんとかならないかな
　 奏に振袖、着せてやりたい」
理久「そうだな……ちょっと待ってろ」

そう言うとりっくんは、
どこかに電話をかけ始めた。

理久「まだ、○○にいる？
　 うん、悪いんだけど、
　 今から振袖用意できない？
　 あ、そうそう、奏に。
　 うん、うん
　 あ、五関君もいるから選んでもらうわ。
　 うん、はい。
　 じゃぁ、待ってるわ」

ピッっと電話を切った
りっくんはとってもいい顔をしていた。

理久「志野ちゃんが準備してくれるって。
　 ちょー張り切ってたわ」

りっくんも志野ちゃんも
Aのために動いてくれた。
それが俺にとっては
とっても嬉しかった。

それからしばらくして、
りっくんがどれがいい？
と俺にスマホの画面を見せてくれた。

そこにあったのはたくさんの写真。
とても華やかな着物の写真だった。
志野ちゃんが必死に
選んでくれたのだろう。
どれもAに似合いそうだ。
いくつか写真を見ていると
俺の携帯が鳴った。
志野ちゃんだった。

志野「もしもーし、
　 りっくんに送った写真見た？
　 もうどれにしようか選びくれなくって。
　 五関君はどれがいいと思う？
　 私はやっぱり緑のやつかなー。
　 無難に赤もかわいいけど、
　 緑の着物に、小物を黄色とかにしたら
　 Aちゃんにぴったりだと思うの」

志野ちゃんの話を聞きながら、
りっくんと写真を1枚ずつ見ていく。
着物は、俺もりっくんも
志野ちゃんと同じ意見だった。

「志野ちゃんさ、
　着物は緑でいいと思う。
　小物類を青とかでまとめたらどうかな？
　A、青色好きだし」

Aの顔って結構華やかだから、
小物とか落ち着いた色でまとめた方が
かわいくなると思う。

2009年　成人式2（五関）→←※作者より

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す