【男主】車椅子な僕と人気者な君達【 BL 】

No,10 ページ12

A部屋


時刻は20時です。

……西蓮寺さんが帰って来ません。

門限は過ぎている。夜遊びですかね……掟にはそういうのないんですかね。


コンコン


帰って来たのですかね？

A「はい、すぐ開けます」

ガチャ

涼介「遥は居るか？」

A「あ、今は不在です」

涼介「チッ……あのクソ野郎が」

西蓮寺さんに相当怒っているらしい。

あの人何かしたのでしょうか？

A「よかったら、部屋で待ってますが？」

涼介「そうさせてもらう。ついでにお前の足を診てやる」

なぜかありがた迷惑な事をされそうだ、言わなければよかった。



涼介「ほら、足」

何ですか、この『ほら、こいよ』的な乗り。

まぁ、出しますが。

涼介「部屋着は短パンか？」

A「いえ、今着替えてきました」

涼介「お前、敬語やめたら？」

『敬語をやめろ』と言われても、くせですし。

A「癖なんで無理です」

涼介「……太もも出せ」

急に話し変わったな。

A「はい。ですが、ふとももなんか見て得あるんですか？」

涼介「朝見れなかったから、それと太ももにも筋肉はあるから」

A「知ってますけど」

・・・涼介さん、そんなに真剣に太ももを触らないでくださいよ。

地味に恥ずかしくなってくるんですけど。

A「あの、どうですか？」

涼介「……まぁ、筋肉つければ、歩けるんじゃね？って感じ」

それが出来ないから、苦労してるんですけど。

A「なんかの病気じゃないんですか？」

涼介「そうだとしても、わからない」

A「……そうですか」



涼介「お前ちゃんと飯食ってるか？細いし白いぞ」

A「ひきこもってましたし、ご飯は食べてる方だと思います」

A「そういえば、西蓮寺さんに何の用があるんですか？」

涼介「あいつが来年から副寮長になりたいらしいから、お前の兄貴に聞いて、OKが出て、
あいつに報告したら、メールで『やっぱ、めんどいっす』って、イラついたから、直接会いに来た」

A「それは災難で……へ？あにき？」

涼介「あぁ、この学校に通ってるぞ？」

あ、兄は2年前に逃亡して……。

A「どういう事ですか！？兄さんに会わせてください！」

涼介「ちょっ、お前、落ち着けよ」

A「兄さんはどこに居るんですか！兄さんは！………っ！？」

僕が喋ってる間に、無意識に立っていたらしい。そして、フラついてしまった。

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