第五話 ページ7
*
「一時間後に皆フローリシュ・アンド・ブロッツ書店で落ち合いましょう。教科書を買わなくちゃ」
ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人はウィンドウ・ショッピングをするらしい。ルルはそれに同行するようだ。
「お姉ちゃんも一緒に行こっ？」
「私は遠慮するよ。四人で楽しんできて」
何か言いたそうにしているロンに、にっこりと笑みを見せて私は去った。
雑貨屋で羽根ペンや羊皮紙などを買ってから、私は時間より早めに書店に向かった。
なんだか他の場所よりも人混みが激しいような気がする。周囲が指差す横断幕を見上げると、この人混みの理由があった。
【サイン会 ギルデロイ・ロックハート
自伝『私はマジックだ』】
もうすぐロックハートが登場するらしく、人々はざわめいている。本人が現れれば更にうるさくなるのだろう……嫌だね。
それより、私は新しい教科書を買わないといけない。教科書八冊を手に取った。それらのほとんどの著者がロックハートだ。これらに目を通さなければならないのは正直憂鬱。先程軽く読んだのだけど、そこまで良いものだとは思えなかった。
他に何か面白い本はないかと探索をしていると、急に黄色い声が上がった。そちらに目をやると、一人の男が人々に向かってウインクをしていた。歓声が一回り二回り大きくなる。
耳をつんざくそれに眉を寄せ、私は溜め息を吐いた。サイン会なんて、わざわざここでやらなくても良いのでは？
人混みの中を抜け、なんとか教科書と本を購入することができた。
途中、足を踏まれたり押されたりした。何かに熱中するのは個人の勝手だけど、もう少し他人のことも考えるべきだろう。ここにいる人々は、そんなことも忘れてロックハートに熱中している−−その事実に笑いが溢れた。
「もしや、ハリー・ポッターでは？」
ロックハートの叫び声。それは書店に来ていたハリーを指すもの。
書店の二階から眺めていると、ハリーは彼に腕を掴まれて横に並ばされていた。ハリー自身は目立ちたがりではない、周囲が勝手にハリーに注目するだけ−−その為、ロックハートと並んでカメラマンに写真を撮られるなんて迷惑でしかないだろう。
−−本当に薄っぺらい大人。自分をより良く見せる為だけに、生き残った男の子を使うなんて。
「この九月から、私はホグワーツ魔法魔術学校にて、『闇の魔術に対する防衛術』担当教授職をお引き受けすることになりました！」
……嘘でしょう？
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璃雨(プロフ) - 出会った頃より大人になってしまったけれど、何度読み返しても大好きな作品です。またどこかで闇霧さんの紡ぐお話と出会いたいです。プレッシャーになってしまったら申し訳ございません。素敵な作品をありがとうございました！ (2月13日 20時) (
レス) id: b41fde6459 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 初めてまして！すごく面白くて最初から、一気に読んでしまいました！更新はもうされないのですか？ (2021年11月12日 16時) (レス) @page25 id: 71df9104ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きをお願いします。姉が妹にあんたのことなんか大嫌いだって言うところと、そんでもって姉が救われるところが見たいです。どうかお願いします。 (2021年3月12日 0時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - この作品が大好きです。更新再開、いつまでも待ってます。 (2020年4月15日 2時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
純菫 - 私自身、この作品が大好きなのでこれからも応援しています。 (2019年2月16日 13時) (レス) id: 570a47b5ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：闇霧 | 作者ホームページ：存在しないようですよー。
作成日時：2016年9月25日 18時
