第十九話 ページ21
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今日はホグワーツに戻ってきて最初の土曜日。読書をしようと、談話室のソファに腰掛けていた。
「やあA。君、暇だろう？」
「否定はしないけど、失礼な言い方だね」
急に現れたドラコは、緑色のローブを着込み手に箒を握り、クィディッチをするような格好をしていた。しかし彼は選手ではないはず。飛行練習でもするつもりなのだろうか。
「僕についてくるといい」
「なぜ？」
「スリザリン・クィディッチ・チームの、新メンバー誕生の日だからさ」
「へえ……君がクィディッチを？」
私の問いに、ドラコは自信たっぷりに頷いた。
「ほら、さっさと行くぞ」
しかたないね。私は、やる気に満ち溢れている新人シーカー様の後を追うことにした。くだらないことをたくらんでいるのだったら、ジンクスーー相手を苛立たせる呪文ーーでもかけようかな。
クィディッチ競技場に着くと、芝生にうっすらと漂う霧が、しっかり昇った太陽に照らされていた。
「じゃあ、私はスタンドで観てるから」
「頑張りなよ」と続けようとすると、それに被せるようにドラコが口を開いた。
「君も
「は？」
すっとんきょうな声をあげる私に、ドラコは箒を手渡してくる。どこに隠していたのか、私は制服のままなのか、いや、そんなことよりもーー
「どうして私が！？」
「君が声を荒らげるなんて珍しいな」
「選手は揃っているでしょ。もし新しい人材が必要なら、他に適任がいるはず」
私が詰め寄ると、ドラコは弁解しようとしたのか何か言ったが、突如飛んできた怒号にかきけされてしまった。
「フリント！」
スリザリンのキャプテン、マーカス・フリントの名を叫んだのは、選手達を引き連れたグリフィンドールのキャプテンだった。
「我々の練習時間だ。今すぐ立ち去ってもらおう！」
どうやら、彼らは先程までここで練習をしていたようだ。ドラコに渡された箒に驚き、全く気がつかなかった。
グリフィンドールの選手が揃って並ぶと、その前にスリザリンの選手が立ちはだかる。グリフィンドールには女子選手がいるが、スリザリンにはいないため圧倒的な体格差だ。
「こっちにはスネイプ先生が、特別にサインしてくれたメモがあるぞ。『私、スネイプ教授は、本日クィディッチ競技場において、新人シーカーとチェイサーを教育する必要があるため、スリザリン・チームが練習することを許可する』」
……私に拒否権は存在しないのかな。
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璃雨(プロフ) - 出会った頃より大人になってしまったけれど、何度読み返しても大好きな作品です。またどこかで闇霧さんの紡ぐお話と出会いたいです。プレッシャーになってしまったら申し訳ございません。素敵な作品をありがとうございました！ (2月13日 20時) (
レス) id: b41fde6459 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 初めてまして！すごく面白くて最初から、一気に読んでしまいました！更新はもうされないのですか？ (2021年11月12日 16時) (レス) @page25 id: 71df9104ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きをお願いします。姉が妹にあんたのことなんか大嫌いだって言うところと、そんでもって姉が救われるところが見たいです。どうかお願いします。 (2021年3月12日 0時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - この作品が大好きです。更新再開、いつまでも待ってます。 (2020年4月15日 2時) (レス) id: 8a7216d57f (このIDを非表示/違反報告)
純菫 - 私自身、この作品が大好きなのでこれからも応援しています。 (2019年2月16日 13時) (レス) id: 570a47b5ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：闇霧 | 作者ホームページ：存在しないようですよー。
作成日時：2016年9月25日 18時
