画面越しの恋。 (ページ38)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:70,213 hit

38 画面越しの恋。ページ38

いくら帰りたくないと思っても帰らないという選択肢はない訳で。

｢...あー...やだなぁ、帰りたくない....｣

思わずそうぽつりと零していた

｢あ、やば、もう帰らないと。
しろ、帰るよ。浦島坂田船の皆様さよなら｣

まぁ時間も時間だし帰るんだけど。

時計を見るともうなかなか厳しい時間だったのでしろの手を握ると振り向かずに浦島坂田船の皆様に手を振り改札を通った

｢楽しかったねー！｣

｢ん。でももう僕疲れたー｣

ふぅ、と息を吐きながらのろのろと歩く
たまたま電車が運良く来てくれたため電車に乗り込んだ
電車は意外と空いていてぐて、とシートに座った

｢...き....きて.....起きて！｣

｢わっ！？ふあ、んんー...ん、あれ、僕寝てた？｣

突然大きな声が聞こえ意識が浮上する。
あくびをした後ぐぐぐ、と背筋を伸ばしてみるとふと自分が寝ていたであろうことに気付き思った事を声に出してみる

｢寝てた寝てた。さ、ほら降りよ｣

うん、予想通りの答えが返って来たなぁと思いながらシートから立ち上がった

｢んー、もうついたんだ。あーあ、坂田くんかっこよかったなぁ..｣

｢だねー、｣

そんな呑気な事を言っている僕達はさしずめただの女子高生にしか見えないだろう。

何て事を考えながら飴を口に含んだ