じ ページ15
黙りこくるベッキョンと申し訳なさそうなチャニョルを前にして、もう何も言うこともすることもない。
逃げようかな…３限目なんだったっけ…
そろりと逃げ出せないかなぁ。。
下を向いて手を口に当てていたベッキョンが、顔上げて
「ちょ、行こ」
私の手をぐいっと引っ張った。
周りから歓声が聞こえた。
でもベッキョンしか見えなくなった。
待って、なんて言う暇もなく
気づいたら人気が少ない美術棟の端。
「ちょ、ベッキョン！」
「悪りぃ。ここまでくれば、ちゃんと話せるかなって」
ドキン、と胸が高鳴るのがわかった。
まだ、手をつないだまま。
ベッキョンが振り向くと、慌てたように手を離した。
「も、いいよな、手、ごめんな突然！」
「いや全然、だいじょぶ…」
胸が苦しくて、ベッキョンの顔が見れない。
しかも今更になって、あんな強烈な告白をしたせいでなんだか恥ずかしい。
一息ついてベッキョンは優しく言葉を交えた。
「さっき、すっごい驚いたけど、嬉しかった。
でも…なんだか勘違いさせてるみたいだから、もっかい言わせて。
俺が好きなのは、A、おまえだけ。
お前だから。」
そのときのベッキョンの表情はまるで花が舞うように綺麗だった。
まっすぐ私を見つめる彼のその瞳に、吸い込まれた。
好きだなぁと、
胸がギュッと締め付けられるのを感じる。
私の、
好きな人。
大好きな人。
そんな大切な人に、好きだと言ってもらえる幸せが
こんなにも素敵なことなんだって、気付けて良かった。
「好き？」
「うん」
「も、もう一回言って欲しい…」
「なんでそんな照れてんの」
「うぅ、…だって、実感わかないから。あ」
「何？」
「昨日の女の子だれ！？」
「あれ？あれシギョンの妹〜昨日シギョンと見に行ってたんだけど、妹ちゃんもいたらしくて合流しただけだよ」
「…！付き合ってるとかじゃない？」
「俺がこんなAにアタックしてるのに、付き合ってる女の子がいるとかなしでしょ。」
「確かに…」
その日はふたりして３限を休んだ。
そのせいで、後日二人で補修を受けることになったのは、みんなには内緒。
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眼子♪(プロフ) - 面白かったです！これからも三月さんの作品楽しみにしてます！ (2018年2月3日 14時) (
レス) id: 47a5d9f255 (このIDを非表示/違反報告)
三月(プロフ) - 眼子♪さん» 眼子♪さん: ありがとうございます；；大変遅くなりましたが無事完結いたしました。読んでいただきありがとうございます！ (2018年1月27日 11時) (レス) id: 8a2462e5b1 (このIDを非表示/違反報告)
眼子♪(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2018年1月8日 11時) (レス) id: 47a5d9f255 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三月 | 作成日時：2017年12月30日 1時
