°闇を潜ったラガッツォ*【派生作品】

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授業終了のチャイムが鳴り、号令がかかると皆が一斉に動き出す。
これから皆は部活に行くようだが、京夜は違った。京夜は支度を済ませると、一番に教室を飛び出して速足で下駄箱へと向かう。

運が良いことに、下駄箱には1人も居なかった。帰りもいつもより速く電車に乗れそうだ。速く帰宅しないと、両親のことが思いやられる。

今日の中でずっと深いため息をつき、駅へと歩き出す。自分の右手に持たれた幼馴染から貰ったマフラー。傷つけないように、速くも慎重に歩いた。


駅に到着し、ホームが見えると丁度、電車が到着しようとしていたところだった。京夜は急いで階段を駆け下りた。
階段を降り終わった時、電車が視界に入りほっと息をはいた。
運が良く、朝のように車内は空いていた。自分が気に入っている席に座り、電車が発車するのを待った。

いつも親といる時は、時間が経つのが遅く感じるのに…今は親に会いたくない本心か、待っている時間さえ暇に感じるようになっていた。



5分後＿電車が発車し、解放されている時間が短くなっているのを京夜は感じていた。

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