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「………」

太陽の光が部屋に差し込み、その光で眠りから覚めた。外では小鳥がさえずり…と気持ち良い目覚め方にはならなく、ただただ眠いだけ。
どうせなら、「快眠だ」と言えるほどの眠りにつきたかった。午前2時半ほどの時間に眠りについた京夜がスッキリと目覚められるはずもないが。

時間を見てみると、午前5時。部屋の外は静まり返っているため、家族は誰も目覚めていないようだ。いつもなら、あのチンパンジー共に起こされたりするのだが。そんなことを考えればラッキーだと思った。

昨夜、晩ご飯を食べなかったためか、お腹が「ぐ〜」と鳴った。音が鳴ったのにお腹が空いた気がしない。その理由とは、一体何か。晩ご飯抜きという事にたいして、慣れてしまったためなのか。どうであろうが原因など関係ない。

服や小物がたくさん詰まった引き出しの上に飾られた家族写真がふっと目に入る。その家族写真には京夜も含め、4人の人物が写っている。
京夜の記憶にはそこそこしか残っていないが、京夜が4歳の時に亡くなってしまった姉も写っている。姉は京夜とは違って、いつも笑顔で真っ直ぐな上、愛想が良かったため誰からも好かれやすかった。その姉も笑顔で写っていた。

そこに写った母に父、姉はとても幸せそうな顔をしている。唯一笑顔ではなく、硬い表情で写っているのが京夜。
母や父は姉が亡くなってから態度が豹変した。「こういったものはよくあるものだ」と自分に言い聞かせて、今___この1秒も含めて生きてきた。

写真を眺め、今にでも両親の顔だけを切り取ってやりたいが、手が震えてどうしてもすることができない。
惨めな自分に腹が立つ。家族写真から目を逸らし、拳を強く握りしめる。

「京夜、起きているならさっさと起きてきなさい」

静寂に包まれた部屋に、ノック音の後に聞き慣れた冷たい声が響く。

チラリと扉に目線を向けた後


「はい、お母様」


と返事をした。

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水誓 渦桃@ポッセ同盟(プロフ) - 雛月いず/りぃふさん» そ、そうなんですか!それはそれは…ありがとうございます!! (2020年10月17日 18時) (レス) id: ca7c35e793 (このIDを非表示/違反報告)
雛月いず/りぃふ(プロフ) - 水誓 渦桃@ポッセ同盟さん» 本当ですか…!?実は、私の方かお声がけさせていただきたいと思っておりましたところでして…!是非、出させていただきますね! (2020年10月17日 17時) (レス) id: 0b050cbadc (このIDを非表示/違反報告)
水誓 渦桃@ポッセ同盟(プロフ) - 雛月いず/りぃふさん» いえいえ!そして龍牙を出してほしいです…! (2020年10月17日 17時) (レス) id: ca7c35e793 (このIDを非表示/違反報告)
雛月いず/りぃふ(プロフ) - 水誓 渦桃@ポッセ同盟さん» ありがとうございます…!カメ更新ですが、頑張らせていただきます! (2020年10月17日 17時) (レス) id: 0b050cbadc (このIDを非表示/違反報告)
水誓 渦桃@ポッセ同盟(プロフ) - コメント遅れまして、すみません!とても素晴らしいです…!更新頑張ってください! (2020年10月17日 17時) (レス) id: ca7c35e793 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛月 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月11日 20時

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