貴方の１番になりたい

24 ページ24

.


人の気持ちって本当に分からない。




あのあと、２人でもう１度話をした。




最初っから、俺の勘違いやったんや。




康二は最初から俺自身を見てくれていた





なのに、別れる時に傷付きたくないとか、勝手に俺が保険をかけていたせいで幸せな生活を、大切な存在を失いかけた。



.





「なあ〜俺めっちゃ恥ずかしいこと言うたのに、龍太くんからまだ何も聞いてないんやけど〜？？」





あの涙で俺の気持ちなんて分かってるはずなのに、ニヤニヤしながら聞いてくる康二




今までだったら、うるさいって突き放していたかもしれない。




でも今だけは、今日だけは素直に自分の気持ちを伝えよう。




まだニヤニヤしながら俺のことを見ている康二の目を真っ直ぐに見つめて、康二の胸に飛び込もう。




「康二！だいすきっ」





恥ずかしがり屋の俺やけど、康二の耳が赤く染まったのを見て、少し安心した。



.




ずっと貴方の１番になりたいと思っていた。





叶わない願いだと思っていた。





でも本当はずっと１番に思ってくれてたんやな。





.



これからも貴方の１番は俺でありますように。





〜fin〜

作者より→←23

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す