５５.柱達にお礼参り！�� ページ8
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「ああ？テメェみたいなもんを継子にするなんざ、煉獄もついに頭湧いたのか？」
そう皮肉たっぷりに返すのは不死川実弥。
その手には竹刀が握られており、Aが少しでも動くたびに前に突き出される。
「俺に近寄るんじゃねェ…お前は俺を慕ってるようだが俺はお前が嫌いだ」
不死川は前にAからほっぺにチューされて以来、Aが自分に好意を持っている思っていた。
「言っとくが、お前みたいな女は俺の趣味じゃねぇから、さっさと諦めろ」
そんな不死川に対しほっぺにチューしたことなどとっくに忘れている(そもそも不死川に好意を持っていない)Aは
(何言ってんのこの人？意味わからないんだけど)
と、訳が分からず。ぽかーんと口を開ける。
さらに不死川が続けた。
「いいか？金輪際俺に近寄るな……って、まさか、お前…煉獄の継子になったのも俺に近づく為じゃねェだろうなァァァ！！」
ちょっと思い込みが激し過ぎる不死川、どんだけAが嫌いなのか。
発狂する男を前に、Aがはぁ…と溜息をついた。
(またこの人怒ってるよ…怒ってばかりいないで肩の力抜けばいいのに……ん？力を、抜く…)
ぽん。と手の平を叩いて何かを思いついたA。
スッと不死川に近づいて、耳元に口を当てると
ふーっと息を吹きかけた。
「っ………ーーー！！！」
耳にフーされた不死川は、顔を赤くしてその場にへたり込んだ。
その様子にAは満足そうに頷く。
(よし。肩の力が抜けたみたいだ)
ニコッと不死川に微笑みを見せると、Aは颯爽と去っていく。
「(なんだ…あいつ…なんなんだよ……ああああああああああああああ！！俺はあいつが嫌い俺はあいつが嫌い俺はあいつが嫌い俺はあいつが嫌い俺はー…)」
悶々とする身体に鞭打つように、地面に頭を打ち付ける不死川を残して…。
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作者名：下野岸 | 作成日時：2021年2月22日 18時
