５４.柱達にお礼参り！�� ページ7
＊
その日、Aは無事に鬼の頸を斬れるようになったことと煉獄の継子になったことを散々振り回し…いや、お世話になった柱達にお礼も兼ねて挨拶回りをすることにした。
まずは宇髄天元から
「ほーあのちんちくりんがなぁ…人の成長つーのは分っかんねぇもんだな。ま、鬼の頸斬れるっつーならお前はもう鬼殺隊の一員だ」
頑張れよ。とAの頭に手をポンと置いた。
宇髄に隊士として認めてもらったAは、次に時透無一郎の所へと向かう。
「…………」
無言でAを見つめる無一郎、前に会った時から１年も経っている流石に忘れているかと思いきや…
「(…え、なんで神様が僕の目の前にいるの？…あれは僕がみた幻覚じゃなかったの…)」
崇拝するがあまり、無一郎にとってAは幻の存在になっていたようだ。
神を目の前にして、涙を流し始めた無一郎に
(え、なんでこの子いきなり泣いてんの？情緒不安定なの？)
と、Aはドン引きしながら持っていた手拭いを渡して、静かに去っていった。
その後、Aから差し出された手拭いを、拝むように天へと掲げる無一郎の姿を見たとか見なかったとか。
次に来たのは甘露寺邸。そうAの天敵こと蜜璃ちゃんだ。
「えー！Aちゃん鬼の頸を斬れるようになったの！？すごいすごい！！それに煉獄さんの継子になったなんて私と一緒だ！！うれしー！！」
Aにぎゅーと抱きつく蜜璃だが、実際はとてつもない力でAの首を締め付けている。
グエグエと苦しそうにもがくAのもとに、運良く(悪く？)伊黒小芭内がやって来た。
「おい…なぜお前が……って来るな来るな来るな来るなぁぁぁぁぁぁ！！！」
どうにか蜜璃から抜け出したAが伊黒に助けを求めて近寄るが、Aが苦手な伊黒は全速力で逃げる。
「あ！Aちゃん待ってー！」
(助けて助けて助けて助けて)
「ゔあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ'"！！」
Aを追いかける蜜璃、蜜璃から逃げたいA、Aから逃れたい伊黒。
奇妙な三角関係の追いかけっこは、夕方近くまで続いたのだった。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：下野岸 | 作成日時：2021年2月22日 18時
