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６３.無限列車編-序章��- ページ17
＊
「Aさん！」
炭治郎が叫ぶと同時に。
ー 炎の呼吸 弍ノ型
Aが日輪刀を抜き下から上へと振り上げる。
ー 昇り炎天
燃え盛る炎の刃が、鬼の首を刎ねた。
鬼の身体が消え去るのを見届け、Aが刀を鞘へと戻す。
「すげぇや！！煉獄の兄貴もAの姉貴も見事な剣術だぜぃ！！」
と、固唾を飲んで見守っていた炭治郎が、思わず歓喜の声を漏らす。
(おおおおおおお！！初めて任務で成功したあああああ！！見た！？今の見た！？)
AはAで初めて失敗せずに型が成功したことに感激して、煉獄達の元へ歩み寄った。
「おいらを弟子にしてくだせぇ！」
「いいとも！立派な剣士にしてやろう！」
炭治郎に続き、おいらも！おいどんも！と善逸と伊之助が便乗する。
「みんなまとめて面倒みてやる！！」
(師匠ぉぉぉぉぉ！！私も褒めて褒めて褒めて！！)
「Aもよくやった！えらいぞ！」
Aの頭を撫でながら、煉獄が持ち前の包容力を発揮する。
周りでワーワーと騒ぐ少年達と、鼻水を垂らしながら泣いて喜ぶ少女、異様な光景だが突っ込む者は誰もいない。
四人の楽しそうな笑い声だけが、車内に響き渡っていた。
※※※
汽車の先頭車両の上で、男が囁くように呟く。
「夢を見ながら死ねるなんて、幸せだよね」
＊
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作者名：下野岸 | 作成日時：2021年2月22日 18時
