62.無限列車編-序章- ページ16
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「車掌さん!危険だから下がってくれ!」
羽織の下では、日輪刀の柄を掴んでいる。
「火急のこと故、帯刀は不問にしていただきたい!」
そう告げると、周囲の乗客達の悲鳴が聞こえた。
突如として現れたその鬼はグルル…と喉の奥で唸るとこちらを睨みつける。
「その巨軀を!隠していたのは鬼血術か!気配も探りづらかった!しかし!罪なき人に牙を向うなら、この煉獄の赫き炎刀がお前を骨まで焼き尽くす!」
オオオーーーーーーッ!!
うめき声を上げながら襲いかかっくる鬼に煉獄が刀を構える。
「炎の呼吸 壱ノ型ー不知火」
煉獄の一撃に、ひと回りも大きな図体の鬼の頸が斬り落とされた。
胴体が床に倒れ、首と共に消えてゆく。
「すごい…一撃で鬼の頸を斬った」
炭治郎が呆気に取られる間もなく、煉獄が前方の車両へと視線を向ける。
「もう一匹いるな。ついてこい!」
炭治郎達に声をかけるや否や、足早に駆け出した。
***
煉獄が前の車両へと踏み込むと、鬼から逃げ惑う人々でごった返していた。
かき分けながら客室の前方へと向かう、たどり着くとそこには長い手足をした鬼とー….。
乗客を守るように立ちはだかる、Aの姿があった。
「あれって……A、さん…?」
「ああ、丁度ここに居たみたいだな!手助けしなくても大丈夫だろう!」
刀を構える炭治郎達に煉獄が言い、余裕ありげに腕組みをしている。
助太刀無用ということらしい。
その傍らで、Aが鬼に一枚の紙を見せる。
【罪なき人に牙を剥こうものなら、この名無Aの赫き炎刀「あ、Aさんそれさっき煉獄さんから聞きました!台詞被ってます!」
あん?とAが炭治郎の方を向く、その隙をついて鬼が飛びかかってきた。
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作者名:下野岸 | 作成日時:2021年2月22日 18時