05:初任務に出動せよ ページ6
*
あれから無事に家に帰れたA。
今日は団子屋のおやっさんの手伝いをしていた。
(働くのも楽じゃない。でも働きながら食べる団子は格別だ)
「売りものを勝手に喰うなァァァ!!」
もぐもぐと団子を食べているAにおやっさんの鉄拳が降り注ぐ。
「なにサボってんだ!給料から差し引くぞ!」
(働いてるのに…働かざる者食うべからずなのに…)
「働いてねぇだろ!団子喰ってるだけだろ!」
と、おやっさんをから怒鳴られていると。
鎹鴉がふたりの前に止まった。
「名無A!南西の町エ向カエ!ソコデハ、人ガキ消エテイル!」
(この鴉。喋れるのか)
「毎夜毎夜人ガ消エテイル!ソコニ潜ム鬼ヲ見ツケ出シ打ツノダ!鬼狩リトシテノ。最初ノ仕事デアル」
(鬼狩り?そうか。私は鬼狩りなのか)
Aが団子の棒を喰わえながら、おやっさんの方をみた。
(そういうことだおやっさん。行ってくる)
じゃっ。と片手を挙げて、Aは任務先へと向かった。
***
結局道に迷いまくり、呆れた鴉がAを目的地まで連れてきた頃にはもう夜は更けていた。
(お腹すいた…お団子もっと食べとくんだった)
空腹が限界にきたAはその場に座り込む。
すると、後ろから声をかけられた。
「大丈夫ですか?具合が悪いのですか?」
振り向くと若い娘が心配そうに、Aの顔を覗き込んでいる。
Aのお腹がぐぅぅと鳴る。
「もしかして、お腹が空いてるのですか?」
こくっとAが頷くと、娘は言った。
「なら。うちに来てください。なにか食べさせてあげましょう」
(ああ…まるで菩薩ような人だ。いや菩薩に違いない)
突然拝み出すAに戸惑いながらも、娘は自分の家へ案内した。
…………………
……………
……
だが、連れてこられたのは娘の家でなかった。
古びた神社だ。薄気味悪く。ひとけは無い。
着くなり娘は誰かに話しかけるように叫んだ。
「約束通り鬼狩りを連れて来たわ!いいでしょう!?お願いだから私を逃してちょうだい!」
顔が青ざめている、何かに怯えているようだ。
娘が言い終わると、神社の中から巫女の姿をした女が現れた。
「その隊服。鬼殺隊だな。いいだろう、お前は逃してやる。私の気が変わらないうちにさっさと失せろ」
鬼狩りを連れてこなければ殺す。
そう脅されていた娘は一目散に去っていく。
ー女の眼には下弦と刻まれていた。
*
37人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
下野岸(プロフ) - たこさん» ありがとうございますぅぅぅ!兄貴いいですよね(o^^o)糧だなんて!そんなこちらこそその言葉を糧に生きていきます!更新頑張りますね!続編もお読み頂けたら幸いです! (2021年2月15日 20時) (レス) id: 89e4f77b3f (このIDを非表示/違反報告)
たこ - とってもおもしろいです!兄貴が大好きなのでこの作品を糧に仕事頑張ります(´;ω;`)更新頑張ってください!応援しています! (2021年2月15日 19時) (レス) id: 00aa00b8b4 (このIDを非表示/違反報告)
下野岸(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!すごく嬉しいです(TT)更新がんばりますので、こちらこそよろしくお願いします!素敵なコメント本当にありがとうございました! (2021年2月5日 23時) (レス) id: 89e4f77b3f (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - とてもおもしろいです!煉獄さんのキャラが新鮮でおもしろい!続きが気になります!!これからも更新頑張って下さい! (2021年2月5日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:下野岸 | 作成日時:2021年1月19日 8時