42:師匠の稽古を本腰で受ける ページ43
＊
まだ背中に傷跡が残るものの、身体は完全復活したAは煉獄の稽古を受けていた。
そう。あの任務でのことをきっかけに
ー(師匠めっちゃかっけぇ！私も師匠みたい炎ノ呼吸の使い手になりたい！！)
となった Aが真面目に稽古に励む様になったのだ。
Aをやる気にさせるのは難しいようで、実は単純明快。
その気にさえさせれば、今までの事が嘘かのように本領を発揮するのだ。
「(理由は少し不純だが、まあいいだろう)」
今日も裏山での走り込みに素振り千回を終えたAが疲れている姿をみて煉獄が思う。
最初は剣士としてまるで才能がなかったAが、少しやる気を出しただけで、山下りも刀の扱い方も全集中の呼吸も、以前とは比べ物にならないほど上達してきているのだ。
それに。
理由はどうであれ、Aが本気で頑張っていることが煉獄は嬉しかった。
「A！休んでいる暇はない！次は全集中の呼吸及び常中の訓練だ！」
厳しくするのもAを立派な剣士にする為、本人が真剣ならば尚更、甘やかすことはしない。
煉獄は今まで以上にAに全てを叩き込んでいた。
もしかしたら、本当に……
煉獄はAに零からの可能性をかけていた。
＊＊＊
Aは全集中の呼吸の訓練際に、炎を見つめながら呼吸をする。
煉獄に教えてもらったやり方だがAにも合っているようで、ゆらゆらと揺れる炎を見ていると普段よりも集中力が上がる気がした。
裏山の開けた場所で座禅を組み。
息を吸い込んで、酸素を全神経に行き渡せる。
何度も何度も、息を吐いては吸い込む。
煉獄が担当地区の見廻りを終えて、Aの様子を見に来たころには夜が明けていた。
もういないだろ、と半ば思っていたが、前にみた時と全く変わらない姿勢で呼吸に集中するAの姿に煉獄が目を見開く。
「(この短期間で常中を覚えるとは…)」
驚くほどの成長の早さに煉獄が感心していると、気配に気付いたのかAがこちらに顔を向けた。
「精が出るな。良いことだ。だがあまり無理はするなよ」
コクっとAが頷くと、明け方の寒さからかクシユと短くくしゃみをした。
「風邪を引くぞ」
と、煉獄がAの肩に羽織を掛けて、隣に腰をかけた。
＊
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下野岸(プロフ) - たこさん» ありがとうございますぅぅぅ！兄貴いいですよね(o^^o)糧だなんて！そんなこちらこそその言葉を糧に生きていきます！更新頑張りますね！続編もお読み頂けたら幸いです！ (2021年2月15日 20時) (
レス) id: 89e4f77b3f (このIDを非表示/違反報告)
たこ - とってもおもしろいです！兄貴が大好きなのでこの作品を糧に仕事頑張ります(´;ω;｀)更新頑張ってください！応援しています！ (2021年2月15日 19時) (レス) id: 00aa00b8b4 (このIDを非表示/違反報告)
下野岸(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！すごく嬉しいです(TT)更新がんばりますので、こちらこそよろしくお願いします！素敵なコメント本当にありがとうございました！ (2021年2月5日 23時) (レス) id: 89e4f77b3f (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - とてもおもしろいです！煉獄さんのキャラが新鮮でおもしろい！続きが気になります！！これからも更新頑張って下さい！ (2021年2月5日 22時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：下野岸 | 作成日時：2021年1月19日 8時
