8 ページ8
「本当にありがとうございますっ、知り合いの家に行ったんですけど、いなくて…連絡も出来なくて」
"お前が終わらせたんだろ"あの時の二宮和也の声がよみがえる。
「…そっか。彼氏、かなんか？」
「…別れたばっかりなんですけど、会いたくて」
ぎゅっと唇を噛み締めるカノジョ。
「恋愛ってさ？本当に難しいよね？好きなのに嫌いって言ったり。まだ、あなたは若いんだから色んな恋愛できるよ」
「あっ、ごめんなさぃ！初対面の方に助けてもらったのに、愚痴ったりしてっ」
「ふふっ。私は、ゆみ」
「改めてましてっ、美来と言います！」
美来さんが頭を下げた時、グーーーっと盛大なお腹の音が鳴り響く。
初対面なのに、それも…二宮和也絡みの子なのに、
コンビニで買ってきてたお総菜をテーブルに並べて2人で食べている。
「ごめんね？こんなのしかなくて」
美来「っ！ぃえ！全然！私もコンビニばっかりですっ！」
美来さんは時折スマホを気にしてる。
……連絡くらいしてあげろよ。と思いながらもコーヒーを作りにキッチンへ。
ピンポーンっと、チャイムが鳴る。
時間を見ると23時を回ってた。
「はい」
「ごめん、俺」
「お預かりしてました。待ってて」
「俺も上がっていい？」
「何言ってんの？さっさと連れて帰って」
相手は、二宮和也だった。
美来さんが倒れてとりあえず家に運んだ後に二宮和也の玄関のドアに張り紙をしてた。
「美来さん？お迎えきたから」
私がそう言うときょとんとする美来さん。
「…お向かいさんだから顔見知りだったんだ」
私がそう言うと美来さんは慌てて頭を下げて荷物を手に取り出ていった。
もう、会うこともないだろう。
美来さんが使ったものを洗ってお風呂に入る。
……確かに可愛い子だった。
あんなに可愛い女の子に産まれたかった。
なにが、私に似てるとよ。と頭からシャワーをかける。
お風呂から上がりビールを取り出す。
この瞬間が一番好き。
その時又チャイムが鳴る。
「……おれ」
「オレオレ詐欺ならお断りします」
二宮「迷惑かけてごめん」
「別に？人助けしただけたし？」
二宮「怒ってんの？」
「なんで？」
二宮「顔も見せてくれないから」
「…美来さんは？」
二宮「ちゃんと、送り届けた」
「可愛い人じゃない。なんで別れたの？」
二宮「……ここじゃ話せない」
確かに今はインターフォン越しの会話。
髪も濡れたままだけど…ゆっくりと玄関のドアを開けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yumi | 作成日時：2020年8月28日 18時
