6 ページ6
真奈美「……なんか、やつれてない？」
翌日出勤してすぐ真奈美が私を見て笑う。
「…ね、すぎて腰がいたいだけ！」
二宮「…付き合って、くれる？」
「……初対面で、やることやって…今更？」
二宮「ごめん。でも…」
「こっちこそ、ごめんね？気使わせちゃった？けど、カノジョの身代わりはしたくないから」
別れ際そう言って玄関の鍵を閉めた。
二宮和也の顔は見ていない。
嬉かった。この年であんなに優しく抱かれるなんて思ってもなかったから。
けど……彼はカノジョと別れたばっかり。
そのカノジョに似てると言ってた。
遊ばれるのは分かりきってた。
なんせ彼はアイドルだ。
「……私以外にも抱く相手いるでしょ」
二宮和也とはその日から全くと言っていいほど会わなくて、心の中では強がってたけど…
寂しさも少しはあった。
そんな中。職場に新人が入社してきた。
確かにイケメン。可愛い系の男の子だった。
「三谷！指導宜しくな！」
やっぱり私か…。
「佐久間と言います！宜しくお願いします！」
……うん。可愛い。
真奈美「やっぱりゆみについたかー！」
仕事帰りのいつもの居酒屋。
「職場恋愛なんてないから安心して」
いつものビールを一気に飲み干す。
真奈美「…あんたさー？なんかあったでしょ？」
枝豆に手を伸ばそうとしたら真奈美がジーっと見つめてくる。……こう言うの鋭いんだよねー。
「んー？何もないよ？」
誤魔化すけど真奈美には通用しないんだよな…。
真奈美「男でしょ？」
「……年下。するだけして別れた」
真奈美「相手は？」
「付き合おうって言ってくれたけど、遊びって分かってるから断った」
真奈美「遊びかどうかは分かんないじゃん」
「カノジョと別れたばっかりでそのカノジョに私が似てたから声かけたって。ね？遊びになるでしょ？」
真奈美「相性は？」
「…悪くはなかった」
真奈美「だったら！連絡先くらい交換しとくべきでしょ！またあんたの気が変わるかもしんないのに！」
連絡先交換はしなくてもいい。と言いそうになってぐっと堪えた。
相手はアイドル。口外はしちゃいけないはず…だから。
「また、いい男と出会うでしょ」
残りのビールを飲み干す。夜の22時。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yumi | 作成日時：2020年8月28日 18時
