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その日は相葉さんと夜を共にした。
と言ってもなにもない…。
気付いたら朝で相葉さんの姿はなく
"今日ニノは午前中だけだよ！頑張れ！"の置き手紙があった。
「……何を頑張ればいいの」
相葉さんも辛かったんだろうな。
でもそれを乗り越えたんだ。
それと同時に美来さんの結婚には本当にびっくりして今まで「なんだったんだろ」と肩を落とす。
私にはそんな遊んでる時間はない。
もう45歳なんだから。
ぼーっとしてたら気付けばお昼過ぎを回ってた。
今更、どんな顔であいつに会っていいのかも分からない。
「…コンビニでもいこ」
昨日沢山食べたのに人間は何もしなくてもお腹は減るらしい。
ドアを開けるとちょうどエレベーターの止まる音。慌ててボタンを押すと
二宮「…生きてたの？」と。初めて会った日と同じように帽子を頭に乗せてスマホを手にした二宮和也がいた。
「…そっちこそ。引っ越したのかと思った」
扉は開いたまま。
二宮「俺に会いたかった？」
「っ！ち、がうしっ！今から買い物行くの！」
二宮「ビールとつまみお願い」
「はい？」
二宮「何なら俺が車出す」
「ちょっ？！」
気付いたら…久しぶりの温もり。
手を引っ張られそのまま二宮和也の胸の中。
「っ！だ、れかにみられる！」
二宮「…いいよ。ゆみとだったら見られてもいい」
二宮和也に抱き締められたままエレベーターの扉は閉まった。
二宮「…相葉さんの匂いがする」
「き、のうっ、家に泊まったからっ」
二宮「ふーん？本当に付き合ってんの？」
「っ、失恋した相葉さんを慰めてあげてたのっ！」
二宮「…俺に。だろ？」
「あっ、ご、めんっ、つ、いっ」
二宮「…いいよ。何となく分かってんだ、でも…気持ちには答えてあげられなかった」
そう言うと二宮和也はぎゅっと私を抱き締める。
二宮「…このまま、どっか行こうか？」
私より華奢な体つきなのに抱き締める腕は
男の子。
気付いたら二宮和也の車で沿岸沿いを走ってた。
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作者名：yumi | 作成日時：2020年8月28日 18時
