23※少々BL要素あります。苦手な方スルーして下さい ページ23
「…………」
二宮和也の存在も忘れてただただ佐久間くんが居なくなった玄関に座り込んでいた。
久しぶりの恋をしてた。
自分でも可笑しいほどただ純粋に恋をしていたんだ。
二宮「……ゆみ」
「…ごめん。今は1人になりたい」
そう言うと二宮和也は何も言わずペタペタと足音を立ててリビングに戻っていく。
二宮和也の事も、好きだと思う。
じゃなきゃ、身体なんて許す訳がない。
ただ二宮和也は今でも美来さんと私を重なれてるだけ。そう勝手に私の中では思い込んでる。
自分の気持ちがあやふやなまま、二宮和也とは一緒にいれない。
でも、たった今私は失恋した。
だったら？
どれ位座り込んでたのか…思い腰をやっと上げてリビングに行くと二宮和也がソファの隅っこで寝息をたてているのを確認して寝室にスマホを取りに行く。
「もしもし」
「俺に会いたくなった？」
美来さんの事、二宮和也の事…彼が全てを握ってると思い相葉雅紀と会う約束をした。
相葉「久しぶりだね」
「相変わらずかっこいいですね？」
相葉「ニノより俺がよくなった？」
「貴方は憧れのままでいいです」
相葉「えー！俺はゆみちゃんの彼氏になりたいけどなー！」
「夢を壊さないで下さい」
相葉「…で？用件は？」
口角を上げて笑う相葉雅紀にゾクッとした。
「美来さんと居るんですよね？」
喫茶店でコーヒーを飲んでるだけなのに絵になる程のかっこよさ。
相葉雅紀の綺麗な手を見ていたらその手が私の手を握ってくる。
相葉「ここじゃ長くなるし俺ん家くる？」
手を握られたまま、相葉雅紀の車に乗った。
その手を振り払えなかったのは……相葉雅紀が寂しそうな瞳で私を見つめたから。
相葉「単刀直入に言うね。俺、ニノの事が好きなの」
その答えは薄々感じてた。
相葉「ニノに近づく女はどんな事をしてでも潰していく」
「……だから、美来さんも？」
相葉「美来は本当にニノの事が好きだった。そしてニノも美来を愛してた。でも、許せなくて…これだけニノの近くに居るのに俺はニノに指一本も触れれない…好きだと言う気持ちも押し殺して側にいなきゃいけない。なんで？男同士だから？ただそれだけで俺はこれから先も苦しまきゃいけねーの？」
相葉雅紀の瞳から綺麗な涙が溢れだした。
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作者名：yumi | 作成日時：2020年8月28日 18時
