15 ページ15
慌ててスマホをタップする。
相葉「隣の子…」
「あ、のっ！帰ったんじゃ？！」
相葉「……気になったから。けど、お邪魔かな？」
チラッと佐久間くんを見ると軽く頭を下げて自分の車に乗ろうとしてる。
相葉「彼と帰る？」
……ど、うしよ。
国民的アイドルくんを断るバカな女がこの世にいるのだろうか？！
で、も！
自分の気持ちに気づいたばっかりだし……。
佐久間「今度、飯一緒しましょ？」と耳元でそう言った佐久間くん。
相葉「いいの？」
アイドル様を待たせるわけには行かず慌てて相葉さんの車に乗り込む。
「…あ、の！あ、れからずっと？」
相葉「うん。あの状態でゆみちゃん家戻っても、気まずいし」
かれこれ２時間近くは立ってるのに。
やっぱり。相葉さんも相葉さんで、美来さんの気持ちに気付いてるんだよね。
相葉「このままどっか行こうか？」
「……へ？」
相葉「それとも……」そう言って相葉さんが後部座席に跨がって私の隣に座る。
相葉「……抱いて、いい？」
「……へ？は？」
相葉「…本当に、美来に似てるよね」
相葉さんの綺麗な手が私の髪を優しく撫でる。
相葉「だからニノも…」
突然の状態にテンパる44才。
相葉「…好きになった、みたい」
「…あ、の…」
相葉「ニノには内緒で、俺と付き合わない？」
え、っと。
私は今、現実にいるのだろうか？
ずっとファンしてた相葉さんの顔が至近距離過ぎで思考が追い付かない。
相葉「あひゃひゃ！今頃ニノも美来とヤってるよ？だから、俺らも、ね？」
その言葉に、カチン！！っときて、気付いたら相葉雅紀のほっぺを叩いていた。
相葉「いってぇ！」
「最低です！！」
相葉「だからって！叩くのは、なしじゃね？！」
「美来さんの気持ち！ちゃんと考えたことありますか？！」
相葉「あいつは！誰とでも寝るんだよ！」
「…最低」
相葉「ニノも！あんたと付き合ってるだろうけど！美来とまだ繋がってるよ！」
「…そんなことはどうでもいいんです！女をバカにし過ぎです！」
急に相葉さんが運転席に戻りエンジンをかけ発進する。
「ちょっ？！」
相葉「…あいつらが、どんな奴らか、みせてやるよ」
２時間前までの優しい相葉雅紀は……もういない。
無言のまま、自宅へと戻った深夜1時。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yumi | 作成日時：2020年8月28日 18時
