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…これで。
二宮和也が私を諦めてくれる…そう思って嫌な演技をした……はず、なのに。
二宮「…美来！！」
私の家に入るなり二宮和也が大声をだす。
その声に美来さんがビクッ！となる。
美来「っ！か、ずっ」
二宮「何してんの？相葉さんは？ここにいることしってんの？」
美来「…まーくん、辛そうで」
二宮「つらい、って…お前らが裏切ったんだろ」
美来「っ、ごめん、なさいっ！本当にごめんなさいっ！でもっ！かずのことっ、今でもすきなのっ！」
二宮「は？今さらなに？終わってんだけど？」
美来「かずは終わってても！私は終わってないっ！」
「……あの」
ここは私の家。
その私はキッチンに立ったまま二人の会話を聞いていた。
二宮「……ごめん」
やっと私の存在に気付いた二宮和也がキッチンに来る。
「いや、別にいいけどね？私が仕込んだんだし？けど、さ？もう一度2人話したら？」
私がそう言うと二宮和也が私の手を握る。
「ちょっ？！」
美来「………」
二宮「今、俺が好きなのはゆみだから」
それを聞いた美来さんは泣きながらこの家を出ていった。
「…よかったの？」
二宮「ごめん、迷惑かけて」
「っていうか、もう離して？」
二宮「やだ」
「美来さんに諦めて貰うために私を利用したんでしょ？」
そう言うと、二宮和也はそっと手を離す。
二宮「…さすが、おねえーさん」
今までの二宮和也の顔じゃない…
口角を上げて笑う二宮和也…。
「そんなに好きなら奪い返せばいいのに」
飲みかけのビールを当たり前のように私から奪って飲む彼。
二宮「…そこまでできた男じゃないんで」
「…美来さん、泣いてたじゃない」
二宮「演技なんじゃないの？アイドルの俺を離したくなかったんでしょ」
「とにかく。もう貴方とは金輪際会わないから」
二宮「なんで？相性よかったでしょ？」
あー。
この男には口では勝たない。
そう思いスマホを手に取る。
二宮「何してんの？」
「ん？警察に電話しようと思って？」
ダイヤル発信を見せるとスマホを取り上げようとする。
二宮「……相葉さん、好きなんでしょ？」
「……だから？」
二宮「紹介する。美来から、奪って」
やっぱり。
二宮和也は、美来さんが好きなんだ。
でも。
相葉雅紀も大切な仲間なはず。
だから………
また。
私を利用しようとしてる。
それが分かってて微笑む私もどうかしてるらしい。
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作者名：yumi | 作成日時：2020年8月28日 18時
